A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (100)
第100話 レベル17
俺は今レベルアップしたステータスを見ている。
LV 16→17
HP 53→57
MP 35→38
BP 57→60
スキル
スライムスレイヤー
ゴブリンスレイヤー(仮)
神の祝福
ウォーターボール
ひさびさにレベルアップした。流石に以前の様にポンポン上がることはなくなって来たが、この階層に来て、魚群や怪獣と戦っていたのでようやくLV17に上がった。
う〜ん。レベルは上がったが、ステータスの伸びが落ちてしまっている。『神の祝福』を得てから各ステータスが大体5以上伸びていたのに今回はBPが3にとどまっている。以前も一回同じようなことがあった。やばい、シルとの信頼関係が薄らいでいるのか。
理由は一緒に潜る回数が減っているせいかもしれない。何とか潜る回数を増やして、もっとコミュニケーションを取らないといけない。結構気をつかってるつもりだがまだまだ足りないようだ。
ステータスの伸びは落ちてしまったが、なんとBPが60に到達してしまった。申請すればブロンズランクとなることが出来る数値だ。但しこの数値と強さが比例しないのは、イベントでも痛感したので調子に乗ってはいけない。 BPがルシェの初期値の半分近くになったが、俺が2人いればルシェに勝てるかといえば、絶対に勝てない。単純な数値では測れない強さの壁があるので、今後も努力は怠らないようにしよう。
ちょっと複雑だけどレベルアップはやっぱり嬉しいもので、すっかりドローンのダメージも和らぎテンションは上がってしまった。
これが良くなかった。
「みんな、さっきの戦闘でレベルが上がったから今までよりも貢献出来ると思うから、探索を頑張ろう。」
そのまま探索を再開したが、30分程度でスナッチが
「キュー、キュー」
と反応した。
全員で水面を凝視していたが、なかなかモンスターが現れない。
はやる気持ちを抑えて、待ち構えていると、またうねうねした足が水面から出てきた。
またあのタコ野郎か!
違った意味でもテンションがさらに上がって、臨戦態勢を整えていたが、出てきたのはタコではなかった。
イカ?
出現したのは巨大なイカが3体だった。大王イカ?それともクラーケン?違いがわからないのでとにかく巨大イカとしか言えない。イカのくせに地面を這って移動している。
タコでもイカでもあまり変わらない。たこ焼きがイカ焼きになるだけだ。
「みんな左端の奴は、俺が倒すから、後の2体を頼む。あいりさん以外は遠距離攻撃でいこう」
そう言って俺も魔核銃を二発発砲してから
「ウォーターボール」
魔氷剣を構えてイカに近づいていく。
ちょっとテンションが上がっていたのと、タコをあっさり仕留める事ができていたので、不用意にも警戒薄めで、近づいてしまった。
魔核銃でダメージを負っていたはずのイカが突然、足を動かし襲ってきたが、冷静に対処して襲ってくる足を切断していく。
次々に向かってくる足を5本切断した時点でそれは起こってしまった。6本目を切断しようとしたが斬れなかった。氷の刃はまだ顕現しているのに切れない。
「なんで斬れないんだ!」
考えてすぐに原因を思いついた。バルザードの使用制限、魔核3個で攻撃5回だ。
氷の刃の制限時間は20秒。氷の刃が手元にあったので完全に錯覚してしまった。氷の刃の制限時間とバルザードの使用制限回数は全くの別物だった。今まで制限回数まで使うことがほとんどなかったので、それを失念していた。
切れないことに焦ってしまった俺は、近づいてくる足に向けて魔核銃を放つが、足ではなく本体を狙うべきだった。
「う、うゎあ。ぐぅうー。」
巨大イカの巨大な足に巻きつかれてしまった。
「海斗大丈夫か、今助ける」
あいりさんが俺の状況にすぐ気づいて助けようとして、薙刀でイカを攻撃しようとするが、イカは応戦しようと、俺を捉えた足を振り回そうとし始めた。
「グゥわー。吐く、吐く。」
締め付けられたところが強烈に痛いが、それと同時に思いっきり振り回されて遠心力で気持ち悪い。
あいりさんがイカの足に対抗して斬撃を加えているのが見えたが、次の瞬間俺が捕まっていた足があいりさんによってぶった斬られた。
「あっ」
次の瞬間、俺自身に全く想像していなかった事態が起きてしまった。