A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (115)
第115話 2匹目のどじょう
俺は今8階層に潜っている。
日曜日なのでK-12のメンバーで潜っているが、昨日食べたモンスター肉の味が忘れられない。
ウーパールーパーであの味なのであれば、マグロや他の食材はいかほどの味なのだろうか?出来ることなら食してみたい。
しかし昨日ドロップアイテムとして肉を手に入れたが、スライム以外から手に入れた初めてのドロップアイテムだ。他のメンバーに聞いてもたまにドロップアイテムは出現するそうなので、やっぱり俺が特殊なのだろうか?通常モンスターからは今まで一度もドロップしていない。スライムからのみ、しかも超稀にレアドロップするだけ。スライムスレイヤーの称号の呪いでもかかっているのだろうか?
なんとなくだが、今回の初ドロップも俺の力ではなく、パーティメンバーのおかげな気がしている。口にしてしまうと確定事項のようになりそうで、怖くて口にはできない。
昨日はシルとルシェの出番がなかったので、どうしてもと言う3人の超強力な希望で危なくも無いのに、2人を召喚している。
ただし、探索も含めていざという時以外は手出ししないように言ってある。
既に9階層への階段までのマッピングは終了しているので、地図に沿って階段へと向かっているが、相変わらず手を繋いでのピクニック状態から脱していない。
しかし見ている限り、シルもルシェも嫌がっている感じではない。ルシェが嫌がっていないのが不思議だが、懐かれてデレているのだろうか?
まあ、雰囲気良く探索できているので良いことだと思うことにした。
みんなも上機嫌なので探索効率もすこぶる上がり、サクサク進んでいる。
既にワニ型モンスターにヘビ型も倒しているが、残念ながら肉はドロップしていない。
確率から言って群に当たるのが一番の近道な気がする。
そう思いながらさらに探索を進めていると遂に群れに当たった。
カニの群れだ。以前までのガザミ系ではなく水族館で見るタカアシガニっぽい。
巨大なてあしを動かしながらゆっくりと向かってくるがその数およそ10体。
一応全員で魔核銃を射出してみたものの、外殻が硬すぎて効果が薄い。この時点でミクとスナッチは攻撃要員から脱落したので残りのメンバーでどうにかするしかない。
「ヒカリン『アースウェイブ』でどんどん足止めしていって。あいりさんと俺でハマった奴から順番に倒していこう。スナッチとミクは近づいて来ないように牽制お願い。」
「ウォーターボール」
魔氷剣を出現させて、『アースウェイブ』で動けなくなっているカニの後ろに回り込み斬りつける。
問題なく斬れるのだが、足が長すぎて本体まで届かない為足しか斬れない。しかも数本斬ってもまだ立っているので本体を攻撃することができない。
このままではバルザードの使用制限回数も魔氷剣の制限時間も超えてしまう。5回斬りつけた時点で一旦離脱してバルザードに魔核を吸収させて再起動する。
流石に今のやり方は効率が悪すぎる。本体に直接攻撃するにはこれしかない。
「ウォーターボール」 「ウォーターボール] 「ウォーターボール」
俺の身長と腕の長さを加えると最長5m近い魔氷槍が出現した。
時間制限もあるのでさっさと本体を攻撃して回る。背後に回って上空にある胴体目掛けて突いていく。もちろん攻撃する度に破裂のイメージを乗せて、爆散させていく。
きっちり五発で5体倒したところで周囲を見るとあいりさんが2体目を倒すところだったので、後は3体となっている。
再び戦線を離脱しバルザードに2度目の魔核補給を行う。
既に今日の戦闘で『ウォーターボール』を6発使用しているので、流石に魔氷槍連発はMPが枯渇する上に疲労感が物凄いのでやめておく。
「ウォーターボール」
魔氷剣を発現させて、あいりさんと共闘する事に切り替えた。
あいりさんの戦っているカニの後ろに回り込んで足を切り落とす。5回しか斬れないがあいりさんと共同ならいける。足が少なくなってバランスを崩したカニの胴体をあいりさんがぶった斬る。
2体目も同じ要領で倒したところで使用制限の5回を迎えてしまった。
後一体残っているが、あいりさんと俺が牽制している間にヒカリンが『ファイアボルト』を放って焼きガニにして消滅させることができた。
カニのドロップといえばもちろんカニ身にカニみそだろう。
結構な数が居たので期待感を胸にカニの消失した跡を凝視する。
あった。ありました。
通常の魔核とは別にドロップしているものがあった。