A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (126)
第126話 2人の妹
俺は今ギルドに来ている。
いつものように日番谷さんの列に並んでいる。
順番が来たので、受付に行って
「魔核の買取りお願いします。」
そう言って9階層で回収した魔核を全て提出した。
「高木様、全部で73個ありますので、1個3500円となりますので255500円となります。」
おおっ。さすが9階層の魔核だけあって結構いい値段になった。カバの魔核よりは安いが、あれは大きさも含めて特別なのだろう。いずれにしても、さっきダンジョンマーケットで使ったのが28万円だったので、ほぼちゃらになった。
「高木様。9階層の魔核がかなりの数あったようですが、順調に探索が進まれているようですね。」
「いや、まだ潜り始めたばっかりなんですけど、スタンピードって言うんですかね。集団に襲われまして、魔核も本当はもっとあったんですよ。多分120体ぐらいはいたと思います。いきなり襲ってこられて、もうちょっとで死ぬかと思いましたよ。」
「高木様。ちょっとよろしいですか?スタンピードとおっしゃいましたか?120体とおっしゃいました?」
「ええそうですよ。やばかったです。」
「他のメンバーの方は大丈夫だったのですか?」
「ああ、俺だけで潜ってたんで、大丈夫ですよ。」
「お一人で潜られていたんですか?120体をお一人で倒されたのですか?」
「あ、ああ。いや、なんか、なんとかできました。ははは。」
「高木様。とにかく120体のスタンピードが本当であれば一大事です。何かが起こっているのかもしれません。再度ヒアリングに付き合って頂いてもよろしいでしょうか?」
「ああ、大丈夫ですよ。」
またいつもの上司の人を交えてのヒアリングだったが、疑問だった事を質問してみた。
「今回、9階層から8階層へ逃げ込んだんですけど、モンスターも一緒に8階層について来ちゃったんですけど、モンスターってそんなものですか?階層を越えないものとばかり思っていたんですけど。」
質問をした瞬間、上司の人と日番谷さんの時が止まったのを感じた。時が止まると同時に顔色がみるみるうちに青くなってきた。
やっぱり、やばい事だったのか・・・・
「あ、あの、言わなかった方が良かったですか。」
「・・・・・」
「あの、なんかすいません。」
「あ、ああ。申し訳ない。モンスターが階層越えをしたのは本当でしょうか?」
「はい。半分ぐらい多分60体ぐらいは超えてきたんで8階層で倒しました。」
「高木様。この事はしばらく内密にお願いします。特殊な事例ですので至急調査隊を派遣します。無用な混乱を防ぎたいので、原因が分かるまで当分スタッフを巡回させるようにします。」
「わかりました。」
その後もシルとルシェのことは伏せて話させてもらったが、手当てで5000円もらえたので、魔核売却分と合わせて赤字がほとんど解消してしまった。
今回はラッキーだったな。スタンピードも、もう少し小規模で時々起きないかな。
とりあえず今日はもう帰って休むことにした。
翌日から、スライム狩りに集中する事にする。
先日のスタンピードの所為で溜め込んでいた魔核を全部シルとルシェに渡してしまったので、本当に無くなってしまった。お陰でバルザードも魔核銃も使用不可になってしまった。
9階層の魔核を残しておけばよかったのかもしれないが、赤字解消の為迷わず売ってしまった、後悔は一切ない。
なので今回は殺虫剤ブレス一択で狩って狩って狩りまくる。
Kー12のパーティメンバーには今週は休む旨を伝えておいたのでこの土日は久々に1階層で籠ろうと思う。
最近時間あたり12個は当たり前になってきたので1日100個が最低のノルマだが、できれば150個を目指したい。
なんとか2日で300個の大台に乗せたい。
「シル、頼んだぞ。シルの感知次第だからな。どんどん見つけてくれよ。」
「かしこまりました。任せておいてください。」
本当はルシェは必要ないのだが、せっかくなので召喚してコミュニケーションをとることにしている。
「ルシェ、一つ聞いてもいいかな。サーバントってモンスターもいるけど、逆にダンジョンに悪魔とかって出ることがあるのか?」
「わたしが知るわけないだろ。まあ出てもわたしが撃退してやるから問題ないな。」
「同族でも大丈夫なのか?」
「当たり前だろ。同族だからってやられてやるわけないだろ。それにわたしの家族はお前とシルだからな。」
「ん?あのルシェさん。もう一度いいかな。」
「もう一度ってなんだよ。」
「いや、ルシェさんの家族は誰ですか?」
「は?何言ってるんだよ。そんな話、するわけないだろバカじゃないのか?」
いやいや、確かに言いましたよ。はっきりこの耳が記憶しました。永久保存版決定ですよ。
ルシェの家族は俺とシル。はっきり聞こえた。
俺は今、猛烈に感動している。確かにルシェとの距離が近づいてきた気はしていた。してはいたが、そんな風に迄思っていてくれたとは。シルは可愛いい妹のような存在だと思っていた、だがルシェも最高に可愛い。もうお兄さんなんでも買ってあげそうだよ。
今日俺の家族が増えた。何があっても、3人で乗り越えていけそうだ。
ただ、勝手に家族が増えて、うちの親がなんと言うだろうか?バレた時が少し心配ではある。