A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (127)
第127話 久々のレアドロップ
俺は今1階層に潜っている。
既に今日一日で100匹以上のスライムを狩っている。
今日は魔核を使う武器は使わないと決めて臨んでいる為、攻撃はワンパターンに陥っている。
サクサク倒せてはいるが、ちょっと退屈なので、一つ思いついてやってみた。
殺虫剤ブレスの吹き出し口にライターで火を灯してから噴射してみたのだ。
以前何かの動画で見たことがあったのだが、物の見事に炎が噴射されて、殺虫剤ブレスがファイアブレスに早変わりした。
炎が噴射された瞬間、結構な炎の大きさと勢いにびびってしまったが、残念な事にスライムへの効果が半減してしまった。ファイアブレスとして一定の効果は得られたが、残念ながら殺虫剤ブレスのようなスライムへの劇的な効果は現れなかった。
これはこれで、他のモンスターへは結構有効かもしれないので、殺虫剤はやはり常備しておこう。
そんな事をしている間に1日が終わり、結果8時間で115個の魔核を手に入れることが出来た。
日曜日なり、順調にスライムを狩り続けている。不思議とレベル17になってもパンチ1発とかで倒せるわけではないので腐ってもモンスターと言うところだろうか。
「シル、スライムって色んな色の奴がいるけど、なんで色が違うんだろうな。」
「申し訳ございません。考えた事もなかったです。特に理由はないんじゃないでしょうか。」
「そうだよな。特に属性とかも無さそうだし、強さもあんまり変わらないしな。スライムの体って何で出来てるんだろうな。 」
「水分で出来てるんじゃないでしょうか。」
「まあそうだよな。」
くだらない会話をしながら夕方に差し掛かって、スライムの討伐数が100を少し越えた時、何度か見かけたあのスライムを発見した
ブロンズメタリックカラーのスライムだ。今までのよりはちょっと地味目の色だが間違いなくレアスライムだ。
「シル、ルシェ、絶対に逃がすな。攻撃頼む。」
素早く逃げようとするスライムに向かって
『ズガガガガーン』『グヴオージュオー』
おなじみのシルとルシェのオーバーキルコンボが炸裂した。
「おおっ。」
やはり残されていた。ドロップアイテムだ。だがあれはなんだ?黒い小さな物体。
近づいてみると、黒い手袋?だった。しかも片方だけ。
素材は何かの革製だろうか?
「シル、これなんだと思う?」
「右手用の手袋でしょうか。」
「そうだよな。なんか特殊なアイテムなのかな?」
「そうかもしれませんが、特別感はあまりないですが。」
「う〜ん。これ呪われているとまずいから、つける前にギルドで鑑定してもらうよ。」
「それがいいと思います。」
この時点で2日間で魔核200個を突破していたので、そのまま切り上げてギルドへ向かった。
「すいません。これなんですけど鑑定をお願いします。」
「かしこまりました。鑑定料として3万円かかりますが、よろしいですか?」
「はいお願いします。」
受付の人が奥の部屋に行ってから5分程度で戻ってきた。
「こちらが鑑定結果です。」
アイテム名 理力の手袋
MPを消費する事で不可視の力を発現することができる。
これはなんなんだろう。鑑定結果を見てもよくわからない。
「あのう、すいません。このアイテムってよくあるんですか?」
「いえ、あまり見かけたことはないですね。」
「片方だけなんですけど大丈夫なんですかね。」
「はっきりとはわかりませんが、もともとそういうものなのだと思われます。」
「不可視の力ってなんですか?」
「おそらく見えない力のことだと思います。」
やっぱりよくわからないので早速明日、試してみる事にしよう。