A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (155)
第155話 買い出し
俺は今ダンジョンマートに来ている。
昨日、10階層への初アタックを果たしたが、砂漠という環境に苦戦した為すぐに引き返し、準備を整えてから土曜日に再アタックをかける事にした。
放課後になってダンジョンマートに行く事にしたが、せっかくなので春香にも付いてきてもらう事にした。
「今度ダンジョンで砂漠エリアに行く事になったから色々買い揃えようと思うんだけど、放課後一緒にどうかな。」
「うん。私も今日は放課後何もないからいいよ。」
やった。どうせなら春香と一緒の方が楽しいし、おっさんも割引してくれるかもしれない。
放課後になってダンジョンマートに向かうが、購入予定の物は、靴、服、帽子、ベルリアの武器だ。
靴は普通のスニーカーで行ってみたが砂が中に入ってきて気持ち悪いし動きにくいので出来れば砂漠用の靴が欲しい。
服もカーボンナノチューブのスーツだけでは暑すぎる。どうやらこのスーツは暑さに対する快適性は完全に無視をしているようで、少しでも涼しくなる様なものが欲しい。
帽子は完全に暑さ対策だが、太陽が出ているわけではないので必須ではないかもしれない。
最後にベルリアの武器だが、最初はタングステンロッドで十分かとも思ったが10階層で助けてもらったのを機にちょっとご褒美をあげる方向に変更した。タングステンロッドでは斬れないせいで本来のベルリアの力が発揮されていない様なので剣か刀を買ってやろうと思う。
とりあえず春香に靴のことを相談してみる。
「砂漠で履く靴だよね。履いたことないけど、多分デザートシューズとかデザートブーツって言う靴が売ってるから、砂漠にはそれがいいんじゃないかな。」
「デザートブーツか。そういえば聞いたことあるかも。デザートって砂漠のデザートだったのか。知らなかったよ。」
砂漠がデザートなのは理解していたが、デザートブーツのデザートと砂漠が結びついていなかった。やっぱり春香に来てもらってよかった。
早速店内を見て回りデザートブーツを見て回った。
足首までの物ともっと上までカバーしている物があったが、春香が後者の方が砂が入らなくて良さそうというので購入を決めた。値段は18000円程で俺の持っているどの靴よりも高額だったが背に腹は代えられないのでブーツの活躍を願っている。
ただ結構革が硬いので、靴擦れしそうなのが心配だ。靴擦れって『ダークキュア』で治る対象だろうか。
次に暑さ対策のウェアだが、2種類候補が見つかった。
どちらも充電式バッテリーで超小型エアコン搭載の、ダウンベストの様なのと、冒険に出てくる様なマントだ。どちらも性能は同じだが、マントの方が少し長いので効果範囲が大きい様な気がする。
一応試着してみたが、どちらも服の内部が結構涼しい。
涼しさの性能自体はどちらも同じような気がするが、やはりマントの方が腰から下も冷やすので、涼しさには軍配があがるが、ベストに比べると少し動きにくい。
どちらも一長一短あるので、これはもう春香に決めてもらうしかない。
「春香、このベストとマントどっちがいいと思う?」
「う〜ん。実用的なのはベストだと思うんだけど、探索者のイメージに合うのはマントな気がするな。」
「そうだよな。なんかマントって探索者っぽいよな。」
正直日常生活でマントを羽織ることは全くないのだが、マント、なんか憧れる。
俺に似合うのか?という大きなハードルはあるが、ちょっと探索者スピリットをくすぐられてしまう。
俺は再度マントを羽織ってみて、春香に確認する。
「これって変じゃないかな。」
「うん似合ってるよ。本当はもっと明るい色があればそっちの方がいいと思うけど、茶色のマントも落ち着いてていいんじゃないかな。」
春香の一言に背中を押されて購入を決めた。価格は55000円、ブランド物でもないのにやたらと高い。
まあ買う人もかなり限定される商品なのでやむを得ないだろう。