A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (157)
第157話 プレゼント
俺は今ダンジョンマートで剣を選んでいる。
いつものおっさんの店で剣を選んでいるが100万円のバスタードソードにしようと思っている。
小声で春香が話しかけてくる
「海斗、お金は大丈夫なんだよね。どの剣がいいと思ってるの?」
「ああ、100万円のバスタードソードにしようと思うんだけど。」
「うん、わかった。おにーさん、海斗と相談して見てるんだけど、ちょっと予算が厳しいみたいなの。でもねその高い方のバスタードソードがちょっといいかなって思ってるんだ。なんとかならないかな。」
「お嬢ちゃん、言ってることはわかるがな、こういうのは数売れるもんじゃないから値引きもあんまりないんだぜ。」
「あんまりってことはちょっとはお願いできますか?」
「お嬢ちゃん、しっかりしてるな。わかったよ90万でいいぜ。」
「ありがとう。おにーさん、もうちょっとなんとかならないかな。」
「おいおい、値段はこれ以上やすくはできないぞ。う〜ん、しょうがねーな、じゃあ砥石と研ぎ方DVDをサービスしてやるよ。」
「おにーさんいつもありがとう。」
おおっ。値段が下がった。春香のスマイルは0円じゃない。確実に価値があるようで、スマイルで交渉するとあっさり10万円も下がった。おそらく俺一人では無理だっただろう。
「そういえば俺ブロンズランクなんですけど割引効きますか?」
「なんだ坊主、もうブロンズランクなのかよ。割引はな。ダンジョンマートを管轄しているダンジョンギルドから還付されるんだよ。ブロンズランクだと3ヶ月後くらいに勝手に口座に振り込まれるはずだぜ。」
「そうだったんですか。知りませんでした。特に説明も受けなかった気がするんですけど。」
「そんなことまで知るわけねーだろ。それよりお嬢ちゃんのおかげで安くなったんだ。少しはプレゼントぐらい買っても、ばちは当たんねーだろ。」
「ああ、そうですよね。ありがとうございます。」
バスタードソードを受け取ってから春香に
「買い物助かったよ。御礼するから何がいいかな。」
「別にいいよ。ちょっと付き合っただけだから。」
「いやいや、この前も助かったし、御礼しとかないと次に頼みにくいから。」
「そうかな。じゃあなんでもいいよ。」
なんでもいいよと言われると女性のプレゼントを購入した事がない俺には決めようがない。
「じゃあとりあえずショッピングモールに行こうか。」
「うん。ありがとう。ほんとに、なんでもいいからね。」
そのまま2人でショッピングモールに向かったが、向かいながら何がいいのか色々脳内で考えてみた。
服は自分で買いたいよな。女の子といえばぬいぐるみ。いやそんな歳じゃないか。
女の子といえば貴金属か。しかし春香が貴金属をつけているのを見たことがない。
指輪もピアスも校則で禁止されているし、ちょっと俺がプレゼントするには敷居が高すぎる。
何がいいかわからない。
春香と会話しながらも頭の中ではプレゼントのことばかり考えていた。
ショッピングモールについて館内をまわることにしてウィンドウショッピングをはじめた。
ブランド物のバッグのイメージもないしな。
「ほんとになにがいいか言ってくれないかな。俺には全く思いつかないんだよ。」
「えっとそれじゃあね、安いのでいいからブレスレットがいいかな。そういえば海斗も時々ブレスレットしてるよね。」
「ああ、俺のはマジックアイテムなんだよ。ちょっと呪われてるけど。」
「えっ?呪われてるの?大丈夫なの?」
「ああ一瞬だから大丈夫だよ。」
「そういうもんなんだ。それじゃあ、呪いのアイテムはちょっと無理だからデザインがお揃いっぽいのがいいな。」
「えっ!?お揃い・・・ああそう、そうね。お揃いね。いいんじゃないかな。うんいいね。」
2人で最初に見たのはストーンショップ、それっぽいデザインの物を見つけて春香が手にとってこれがいいかなというので値札を見て見たが1800円だった。、いくら俺でもこれをプレゼントするわけにはいかない。
俺が次に連れて行ったのは、カジュアルな感じのジュエリーショップだ。
青といえばサファイアだな。小さなサファイアのついたブレスレットを発見して値札を見るが、30000円。
流石に今日とこの前に春香がディスカウントしてもらった金額には全然届かないが、これ以上高いと引かれそうだ。
店員さんにお願いして春香につけてもらったが、なかなかいい感じだ。まあ春香がつければなんでもいい感じに見える。
春香も気に入ったように見えたので
「すいません。これください。」
「ちょっとまって。こんなに高いものもらえないよ。さっきので十分だから。」
「いやいや、俺の気持ちだから。春香にはもっとお世話になってるから。俺も探索者で結構稼いでるから大丈夫。」
「いや、でも悪いし。」
「もしかしてこれ嫌だった?気に入らないなら他のにしようか。」
「ううん。ブレスレットはすごく可愛いけど。」
「じゃあ決まりだな。これください。」
そのまま包装してもらって春香に渡した。ほぼ、はじめてのプレゼントかもしれない。
「ありがとう。絶対大事にするね。」
満面の笑顔を浮かべた春香を見て、プレゼントを勧めてくれた、おっさんへの感謝が止まらない。
こんなに天使の笑顔をくれるなら毎日でもプレゼントしたいぐらいだ。
プレゼントって最高だな。いや春香が最高だな。