A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (184)
第184話 隠し扉?
俺は今11階層に潜っている。
先週、ヒカリンのアクシデントもあったので慎重かつ、パーティのみんなが活躍できるように配慮しながら探索を進めている。
先週と今週でわかったが、この11階層は気温等の環境条件は、ほとんど10階層と変わらないが、出てくるモンスターに特徴がある。
多分エジプト系の神話に出てくるようなモンスターばかりなのだ。小さい頃、結構古代遺跡とかが好きだったので馴染みがあるモンスターが出てきているが、今まであまりなかった簡単な魔法系の攻撃をしてきたり、特殊効果を発揮したりと少し手強くなっている印象だ。
「ご主人様、モンスターが向かって来ています。数は5体です。」
今までで1番多いな。しばらく待っているとすぐにモンスターは現れた。
カナブンの親玉みたいなのが3体。多分スカラベだろうと思う。
それと禍々しい感じの大蛇が2体。
「海斗多分あれアペプよ。気をつけて。」
まあスカラベは巨大だが昆虫の仲間だと思われるので久々に殺虫剤を使用したいところだが、残念ながら想定していなかった為、リュックの中は殺虫剤ではなくペットボトルで占められているので使えない。
スカラベはあまり女性陣は得意ではないだろうから俺とベルリアで受け持つことにする。
「シル『鉄壁の乙女』を頼む。俺とベルリアでスカラベを残りのヘビ型の右側をルシェが頼む。残りの一体をみんなで頼む。ヘビは毒かなんか飛ばすかもしれないから注意して。」
俺とベルリアでスカラベに近付いていくが、攻撃パターンがわからないので俺が先に仕掛けてバルザードの斬撃を飛ばしてみるが、外殻が硬いようで命中したがそこまで傷付いていないので近付いて直接攻撃する必要がありそうだ。
間を空けずに、スカラベが何かのスキルを使用したようで一瞬でお尻の部分に大きな黒い玉が出来上がった。あれはまさかフンコロガシの糞か?
あれを転がしてどうするというのか?
ちょっとビビりながら様子を見ているといきなり後ろ脚でこちらをめがけて蹴り飛ばしてきた。
俺は焦って避けたがベルリアは平然と糞の真ん中を斬ったものの先日の火の玉と同じように綺麗に左右に飛んでいくわけではなくしっかり両肩に命中している。
「つまらぬ物をきってしまった。」
ベルリア格好つけている場合じゃない。
スキルで現れた糞なので俺がくらうと徒では済まない気がする。その前にくらいたくない。
3体のスカラベが絶え間なく糞転がし、いや糞飛ばし攻撃を繰り広げてくる。
正直避けるのに精一杯だ。
「ベルリア、お前これくらってもなんともないんだよな。」
「もちろんなんともありませんよ。ちょっと臭うだけです。」
「お前盾になって近づいてみる?」
「マイロードの命とあらば。」
「じゃあお願いするな。」
ベルリアは、剣で糞を斬りながらどんどん進んでいくので俺も遅れずに後ろをついて行く。
スカラベの前まで来たので、バルザードを突き刺して爆散させる。
同じ作業を3回繰り返してようやくスカラベ型を撃退できた。
ヘビ型の方はルシェが既に1体倒していたが、もう一体は未だ交戦中だった。
あいりさんが、なぎなたで牽制しながら、ミクとヒカリンが遠距離攻撃を仕掛けているが、とどめはスナッチが高速移動しながら『ヘッジホッグ』を発動して戦闘が終了を迎えた。
その後も順調に探索を続けていたが、
「ご主人様、足下から魔力を感じます。」
「下?モンスターか?」
「いえ、モンスターの感じではありません。おそらく魔力を帯びた空間か何かだと思います。」
「魔力を帯びた空間?前にあった隠し扉みたいなものか?」
「おそらく同種のものかと思われます。」
「でもなシル、下って砂しかないんだけど、掘るのか?スコップとか持ってきてないぞ。」
「いえ私にお任せください。」
シル、本当に大丈夫か?