A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (194)
第195話 イシス戦
俺は今隠しダンジョンでエリアボスと戦っている。
そういえばエリアボスって1体を指すのだろうか。今俺たちは3体相手にしているがこれは3体でエリアボスなんだろうか?それとも1体がボスで2体はおまけなんだろうか。
緊迫した戦闘の中で緊張しすぎたのか、ふとおかしな事が頭をよぎってしまった。
目の前に偽イシスがいるのでバルザードを突き立てようとするが植物が邪魔で届かない。
偽イシスもドーンと構えて動かないでくれると助かるが当然普通に動き回るので合わせて俺も動き回る。
「ルシェ先に攻撃してくれ。あいりさんと俺で同時に攻撃をかけましょう。」
ルシェの『破滅の獄炎』が炸裂した瞬間、俺とあいりさんが踏み込んで斬りつける。
あいりさんの一撃が植物をなぎ倒し、隙間を狙って俺がバルザードを突き入れるが敵本体の防御力のせいか刃が通らない。再度攻撃をかけようとするが、既に植物の繭が復活していて出来ない。
目線でルシェとあいりさんにコンタクトを取り、再度同じ攻撃を仕掛ける。
今度は隙間に差し込む瞬間に刺突のイメージを重ねて突き入れると手応えがあった。
そのまま破裂のイメージを連発する。
「ボフゥン」
バルザードが目一杯威力を発揮してイシスの腹部が半分以上吹き飛んだが、まだ動いており、巨大な氷の塊が俺に向かって落ちてこようとしていたので全力で回避する。
その瞬間横からあいりさんが薙刀を一閃してイシスの胴体は完全に切断されて消失した。
1体を撃破したので残りは2体だが厄介な2体だ。
どちらもが死に関係する能力を持ち合わせていると思われるので、直ぐには撃破できないだろう。
「ルシェ、あいりさん、フォローに入るよ。」
ラーはベルリアが対峙しており残りの2人と1体でオシリスを抑えている。
ベルリアを見ると普段よりも動きがよく見えるので少しは『戦乙女の歌』の恩恵を受けているのかもしれない。
よかったなベルリア。
ただ1人で抑えるのはかなり困難のようで結構手傷を負っている。
多分ラーが1番強そうなので後回しにする。
あいりさんにベルリアのサポートを頼んで俺とルシェは偽オシリスの所に向かう。
オシリスもヒカリンが『アイスサークル』で抑えているが、やはり効果の持続時間が短いようで連発している。
オシリスに向かう途中で『戦乙女の歌』の効果が切れたので再度発動してもらいオシリスに攻撃を仕掛ける。
氷漬けになった所をそのままバルザードでぶった斬るが、斬ったそばからオシリスの体がくっついていく。
ぶった斬られて怒ったのか、氷漬けのくせにスキルを発動したようで漆黒のスケルトンが10体現れた。
普通のスケルトンならそれほど問題にならないがこいつらは黒い。何か違うかもしれないと思い慎重に対峙するが、黒いスケルトンがいきなりファイアボールを打ち出して来た。
しかも10体同時にだ。
俺は10方向からの攻撃を全力で回避する。
「ルシェやばい。一気に焼き払ってくれ。」
ルシェにお願いして獄炎で焼き払って貰うが、ブーストされた獄炎でも1発で3体が限界のようなので、俺とあいりさんも加勢してどうにか10体始末するが、始末した瞬間新たに10体の黒いスケルトンが現れた。
「まじか・・・」
クヌムの時と同様に本体を潰さないといけないらしい。
オシリスを倒すには俺では火力が足りない。
恐らくルシェでないと無理だが、ルシェ1人でも厳しいだろう。シルと同時攻撃しか無い。
ただ、シルが攻撃するという事は『戦乙女の歌』のブーストが無くなるという事だ。
それはオシリスを倒す迄の間、ブーストなしの状態で俺1人で10体の黒いスケルトンを相手にするという事を意味している。
正直かなり厳しい。
でもやるしかない。やってやる。