A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (195)
第196話 オシリス戦
俺は今偽オシリスと漆黒のスケルトン10体を相手に戦っている。
「シル、ルシェと一緒にオシリスを叩け。ミクとスナッチはベルリア達をフォローしてやってくれ!」
『戦乙女の歌』のブーストが無くなれば俺だけではなく、ベルリアにとっても多少なりとも影響が出るはずだ。あいりさんがフォローしているとはいえ、1番強そうな相手に戦力低下は致命的に思えたのでミク達に併せてフォローを頼む。
あとは、俺だ。俺が時間を稼ぐしかない。
『戦乙女の歌』の効果が切れたのを感じた瞬間
「ウオオオオォオオオー!!」
腹の底から声を出す事でアドレナリンを極限まで放出して自分の気持ちと心を奮い立たせる。
バルザードの使用制限があり他からの助けが望めない以上、俺に出来る戦法は限られている。
10回の攻撃で10体を倒す事は、ほぼ不可能なので頭の中で完全に割り切った。
最低限の手数で可能な限り倒してあとは敵を引き連れて逃げて時間を稼ぐ。
今度も10体がファイアボールをぶっ放して来たので、とにかく避けることに集中するが、避けた瞬間1番手前のスケルトンに向かって理力の手袋の力で足首を掴んで思いっきり引き倒す。
倒れたスケルトンの頭部をバルザードで突き刺すと同時に破壊する。
まずは1体。
斬撃を飛ばす事も考えたが、ファイアボールで相殺される可能性があり、残弾の問題で直接攻撃を最優先にする。
再度9体のスケルトンがファイアボールを仕掛けてきたので再び避ける。
「ドンッ!」
「グゥウウウウ。」
視界の外から来た1発が命中してしまった。熱いし痛いが、スーツとマントが守ってくれたので死んではいない。
一瞬怯んでしまったが、先程と同じ要領で1体を引き倒して撃破する。
残り8体。
警戒しながら低級ポーションを取り出して一気に飲み込む。
やはり効果は絶大で痛みと疲労が一気に取れた。
2体は減ったものの、複数の同時攻撃をいつまでも交わし(躱し)切れるとは思えない。
早々に当初の計画は、破綻してしまった。
今度は攻撃される前に素早く1体のスケルトンの足を掴んで、引き倒している間に斬撃を飛ばして隣のスケルトンを攻撃する。
残念ながら見切られたようでファイアボールで相殺されたので間髪入れずに、2撃目の斬撃を飛ばして1体を撃破して、そのままの勢いで倒れているスケルトンの頭にバルザードを突き立てる。
これで4体仕留めたと思った瞬間に、また攻撃をくらってしまった。ファイアボールにばかり気を取られていたせいで、注意が疎かになっていたスケルトンが持っている剣での直接攻撃をくらってしまった。
仕方がない事だが、敵の数が多すぎるのとファイアボールでの遠距離攻撃に集中しすぎていて直接攻撃への注意が甘かった。
「うううぅっ。」
「海斗さん大丈夫ですか?援護します。」
ヒカリンが『アイスサークル』の合間をぬって、魔核銃で牽制を入れてくれる。
少しだけ間が空いたので、体勢を立て直して、斬りつけてきたスケルトンを避けながら斬り伏せる。
これで5体。
オシリスの方に目をやると、シルとルシェが連続攻撃を仕掛けている。ヒカリンが足止めした状態で攻撃を繰り出しているので、一方的な戦いになっている。このままいけばもう少しで撃破できそうな気がする。
よそ見をしている間にファイアボールが5個向かってきたので必死で避けたが、避け切れないものがあったので咄嗟に斬撃を飛ばして相殺して回避した。
これで俺に残された残弾はあと3発だが残された黒いスケルトンは5体。
正直かなり分が悪い戦いだがやるしか無い。
いざとなったら徹底的に逃げてやる。絶対に捕まってやらない。死ぬ気で逃げてやる。