A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (208)
第209 魔法銃 スピットファイア
俺は今2階層でマジックアイテムの検証を続けている。
魔術鎧 ナイトブリンガーの効果を実感する事ができたので、続けて何度かゴブリン相手に戦ってみたが、ゴブリン相手には、ほぼ100パーセントの確率で効果が発動して難なく倒すことが出来た。
後はもう少し上位の敵を相手にも同様の効果があるか確かめる必要があるが、とりあえず魔法銃 スピットファイアの検証を先に進めようと思う。
しかし、スピットファイアは英語だと思うのだがバルザードとかアゼトムとかは何語なんだろう。スキルや魔法もウォーターボールのように英語読みのものや斬鉄撃のような日本語表記のものまでいろいろあるが、特に規則性は感じられない。一体どう言う理屈で名前が決められているのだろう?
考えてもわかるはずないのだが、気持ちに余裕があるせいか気になってしまった。
どうせならカッコいい名前のスキルが欲しい。
「ご主人様、30m程先にゴブリンが1体います」
シルの声に頭の中を切り替えて敵に集中する。
魔法銃スピットファイアは、小さな銃の形をしているが弾倉も無く、可動部分はトリガーのみなので、狙ってトリガーを引くしか無い。
ゴブリンが目視できた瞬間にスピットファイアを構えてトリガーを引いてみた。
特に反動らしきものもなく、銃口から炎の弾が飛んで行ったが、ゴブリンの横をすり抜けていってしまった。
外れた・・・
俺は続けざまに3発発射してめでたくゴブリンを倒すことが出来た。
トリガーを引く毎に少しだけ魔力を使った時の違和感があるのでMPが消費されているのだろう。
「何外してるんだよ。ゴブリン倒すのに4発も撃ってるじゃないか」
「魔核銃とは勝手が違うんだよ。慣れだよ慣れ」
ルシェがうるさいのはスルーしておくが、スピットファイアは魔核銃とは少し狙い方が違うのか慣れが必要のようだった。ただこの魔法銃はすごい。
普通のファイアボールは、野球の球ぐらいの大きさだがスピットファイアから発せられるのは卓球の球ぐらいの大きさのファイアボールだ。
一見小さいようにも思えるが、通常の銃の弾に比べると遥かに大きく、ゴブリンに使って見た感じでは威力は十分に有ると思えた。
しかも連射が効くのが凄い。通常のファイアボールは短いとはいえファイアボールと口に出す必要があり、多少なりともタイムラグが発生する。おまけに走りながらとかだと、連発は結構厳しい。
それがこの魔法銃スピットファイアは指でトリガーを引くだけで放てるので、一種の無詠唱状態に近い。
都合4発撃ったのでステータスを確認するとMPの減少が4だったので1発につきMP1なので、弾が小さい分効率が良いようだ。
「マイロード、その銃はミク様にぴったりではないですか?もしミク様は必要ないようでしたら私が欲しいぐらいです」
現在パーティの中で唯一魔法による攻撃手段を持たないミクが装備するとパーティの強化は間違いない。
そういえば、ベルリアも魔法攻撃できないんだった。だからこの銃が羨ましいのか。
まあベルリアは近接専門で全く問題ないので今のところ放っておいて問題ないだろう。
ただし今回、ヒカリンにだけドロップアイテムがなかったので、次回は最優先でヒカリンを考えていきたい。
その後もしばらく2階層での探索を続けたが、10発ほど撃つとだんだん慣れてきたのか、命中率が上がってきたので十分に戦力として使えるようになった。
マジックアイテムによる戦力アップも望めるので、今週末は11階層をサクッと攻略したいものだ。