A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (251)
第252話 射撃練習
俺は約束したように魔核銃を真司に貸し出す事にした。
パーティのバランスを考えた時に真司が遠距離攻撃できないのは致命的なので明日から活躍してもらうためにも今日中に訓練しておきたい。
「まず魔核銃の説明からするけど、魔核を事前に吸収させとけばいいんだけど、マガジンに弾が十発込めれるから連射は十発までだ。一応、予備のマガジンを5個渡しておくから入れ替えたら最大で六十発まで撃てるからな。本当に危ない時は撃って撃って撃ちまくってくれ」
「ああわかったよ。使った分は後でお金返すな」
「それじゃあ早速練習するか。まずは動かない的からだな。ここにカップラーメン置くからこれを狙ってみよう」
「すまないな。なんか食べ物が勿体無い気もするけどやってみるよ」
真司に構え方をレクチャーしてから10mほど離れてから撃ってもてもらう。
「プシュ」
「おおっ、こんな感じか」
トリガーを引けば、バレットが射出されるので当然弾は出た。出たがどこに行ったかわからない。
もちろん的のカップラーメンは無傷だ。
「どこだ?どこに当たったんだ?」
「マイロード、あそこですよ」
さすがベルリアしっかり見えていたようだ。
「えっ?」
弾が命中したのはカップラーメンからは2m近く左横に離れた位置の背後の壁だった。
はっきり言って俺を含めて今までで一番下手だ。それも断トツに。
「よし真司もう一回構えてみてくれ」
「おう、こんな感じか?」
「う〜ん見た感じはそれっぽいんだけどな〜。もう一回撃ってみるか」
「プシュ」
再度真司がトリガーを引いた。
カップラーメンは無事だ。今度も左か?
先程命中した位置を確認してみるが弾痕は一つしか無い。どこだ?
「どこに行ったんだ?」
「マイロードあちらです」
ベルリアが指したのはカップラーメンの右横2mぐらい離れた位置の後方の壁だった。
今度はこっちか・・・
何が悪いんだ?
見た感じそんなにおかしくは無い。
「隼人、何が悪いんだろう。俺にはそんなにおかしいようには見えないんだけど」
「う〜ん。俺もよくわからないな。自分がやってるのとそんなに違うようには思わないけどな」
どうすればいいんだ?左右で4mもずれている。この距離でこんなにずれるもんなのか?
「マイロード一つよろしいでしょうか」
「どうしたベルリア」
「真司様ですが、構えは悪くありませんがトリガーを引く時に力が入りすぎて銃口が動いてしまっています。もっと肩の力を抜いて軽く引けばいいのでは無いでしょうか」
おおっ。ベルリア流石だな。俺は撃った瞬間飛んだ先しか見てなかったから全く気がつかなかった。もしかしてベルリアは銃を持たせてもすごいのか?
「真司、そう言う事だそうだ。深呼吸して軽くやってみようか」
「おおっ。ベルリア師匠ありがとうございます。やってみます」
「プシュ」
今度もカップラーメンは無事だったが、着弾箇所はすぐに分かった。カップラーメンのすぐ横の位置の後方の壁だった。
「もうちょっとだ。次いけるぞ」
「プシュ」
四発目にしてついにカップラーメンに穴が空いた。中心からは外れているがしっかり穴が空いた。
もうお湯を注ぐ事はできない。
「やったな。それじゃあ、感覚を忘れないようにもう一発行っとこう」
「プシュ」
今度も真ん中では無いがカップラーメンの穴が2つになった。
カップラーメンは1個しか持ってきていなかったので、3個目の穴が空いたところでお役御免となった。
「それじゃあ、今度は動く相手に撃ってみようか。この辺りのモンスターは速いからちょっと難易度高めだけど、これができないと意味がないしな」
「おおっ、まかせといてくれ。しっかり命中させて見せる」
正直真司は余り射撃の才能があるようには思えないので、このエリアのモンスター相手には苦戦するだろうが、俺達でフォローして何とか目的を達成させてやりたい。