A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (252)
第253話 ゴブリンスレイヤー(微)
俺は、探索を切り上げて帰ってきた。
真司の射撃の練習が一段落したので、今日は早めに切り上げて帰っている。
「みんなどうだった?」
「俺は苦戦ばっかりだったから、明日からは魔核銃も借りたし頑張るよ」
「ああ、俺も苦戦したけど途中からはなんとかなってきた感じだな。やっぱり海斗達がいると安心感が違うな。俺達だけだと1日じゃ調整出来なかったと思う」
「マイロード明日も私は頑張ります」
「まあベルリアも空中の敵は隼人と連携とって行こうな」
「私は特に問題なく進めたと思いました。明日慣れてくればもう少し奥まで行っても大丈夫ではないでしょうか」
「まあ、明日次第だけど、パーティとしてはそれほど苦戦した感じはなかったよな」
「私がいれば全く問題なしだな。明日はどんどん進んでもいいぞ」
「だから明日次第だって」
マップを見ながら入り口に向かって帰っているが、なんとなくステータスを確認してみて驚いた。
LV 19
HP 60
MP 20
BP 71
スキル
スライムスレイヤー
ゴブリンスレイヤー(仮)→ ゴブリンスレイヤー(微)
神の祝福
ウォーターボール
苦痛耐性(微)
愚者の一撃
「ああっ!」
それほどの強敵を倒したわけではないので、勿論レベルアップなどするはずも無いが何とスキルが進化した。
そもそもスキルが進化する事自体知らなかったのだが初めてスキルが進化した。
ゴブリンスレイヤー(仮)→からゴブリンスレイヤー(微)へと進化した。
「海斗どうしたんだ?変な声を上げて。何か変な敵でもいたのか?」
「いやそれが、さっきの戦闘でスキルが進化したみたいだ。多分今までに遭遇した事のないゴブリンと何回か戦ったからだと思うけど」
そう言って俺はゴブリンスレイヤー(微)の効果を確認する。
ゴブリンスレイヤー(微)・・ゴブリンに対する死の恐怖を克服し、1人で勝利した者に与えられる。
ゴブリンとの戦闘時全ステータス20パーセントUPの補正がかかる。
以前のゴブリンスレイヤー(仮)は偶然による勝利の為に制限がかかり、ゴブリンとの戦闘時、全ステータスが10パーセントUPだったが、今回のゴブリンスレイヤー(微)は、偶然による勝利の注釈が消え、ゴブリンとの戦闘時のステータスが20パーセントUPとなっている。
たかが20パーセントUPだが、ゴブリンスレイヤー(仮)の10パーセントUPと比較すると倍だ。ステータス10パーセントUPではあまり効果を実感する事はなかったが20パーセントUPすれば体感できる部分も多くなってくるのではないだろうか。
俺はやった!遂にスキルの壁を超えた!正直自分を誇りに思う。
スライムスレイヤーだけではなくゴブリンスレイヤー(微)としても活躍する事を義務付けられている気がする。
しかし、スキルが進化するとは思ってもいなかった。
もしかしたら他のスキルも進化する可能性を秘めているのかもしれない。
ゴブリンスレイヤー(微)と同じ(微)がついている苦痛耐性(微)がなんとなく一番可能性を秘めている気がする。
恐らく苦痛耐性(弱)になる可能性があるのではないだろうか?
ただし今回ゴブリンスレイヤー(微)が進化した条件は、恐らく多種のゴブリンを倒したからだろう。
これに照らし合わせると苦痛耐性(微)の進化条件は多種の苦痛を味わう事か・・・・
いやだ。俺はこれ以上多種の苦痛を味わいたくは無い。
ただでさえ電撃トラップや『暴食の美姫』による苦痛を味わって発現したスキルなのに、これ以上どんな苦痛を味わえば進化すると言うのか。
ダンジョンの神は一体何を俺に期待しているのか、スキル進化の可能性とそれに至るまでのことを想像して俺は身震いしてしまった。