A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (253)
第254話 ホテルダンジョンシティ
俺は今ダンジョンを引き上げている。
一応スキルの進化に喜びながら帰路についた。
ギルドに着いたので今日一日の報告に向かう。
「海斗、今日の報告だけど俺に任せてもらっていいか?」
「ああ、別にいいけど」
「よし!」
「隼人ずるいぞ」
「いやいや早い者勝ちだからな」
「明日は俺の番な」
何だ?そんなに報告が大事なのか?
「すいませ〜ん。今日の報告お願いします」
「はい。よろしくお願いします」
ああっ、これか。隼人が報告に向かった先は朝、可愛いと言っていた職員の下だった。
流石だな隼人。それだけ積極性があれば良い相手がすぐ見つかる気がするが、どうして17年間彼女がいないのか謎だな。
それから今日の報告を、隼人が満面の笑顔で済ませたのでホテルに向かう事にする。
「隼人、今日泊まるホテルって近いの?」
「ああ、ちゃんと調べて近くを取ったから、徒歩5分ぐらいだ」
最近シャワーが習慣付いてきているので早く浴びたいなと思い、すぐにホテルに向かう事にした。
徒歩ですぐにホテルに着いたが見た感じ普通に綺麗なホテルだ。
『ホテル ダンジョンシティ』まあそのまんまだが、探索者を相手にしたビジネスホテルのようなものだろうか。
「すいません3人で予約しておいた水谷です」
「はい。今日から2泊でご予約賜っております。ご朝食はいかかいたしましょうか」
「朝食は無しでお願いします」
「かしこまりました。それではこちらがルームキーとなります」
「ありがとうございます」
受け取ったルームキーはカード式となっていたが、普段ホテルに泊まることなどほとんど無いので、ちょっと感動した。
「隼人、今時部屋の鍵ってカード式なんだな」
「そりゃ、最近カードじゃない方が少ないんじゃないか?」
「そうなのか」
少し時代に取り残されてきている気がするが、これでカードキー経験者として胸を張っていける。
部屋は405号室だったのでエレベーターで4階に上がってから部屋を探す。
「そういえば1部屋なんだな。3人で泊まれるぐらい広い部屋だと高くなかったか?」
「いやそんな事はないよ、結構安かったぞ」
そう話しながら部屋に着いたのでカードキーを使ってみる。部屋の前のボックスにかざすとカチッと音がして扉が開いた。
「何だこの部屋は・・・」
目の前に広がっている部屋の光景、と言うか広がっていない。狭い。
まあ狭いのは仕方がないが、問題はベッドが2台しかない。
「隼人、ちょっといいか。俺達3人だよな」
「当たり前だろ」
「それじゃあ何でベッドが2台しかないんだ?」
「いや、あるだろ。なあ真司」
「まあ安かったからな」
ベッドはどう見ても2台しかないが、どう言う事だ?
「それだよそれ、それがベッドになるんだって」
そう言って隼人の指した方を見るとそこにはソファがあった。
「これか?」
「そう、ツインの部屋にエキストラベッドで3名利用なんだよ」
「エキストラベッド・・・」
「そう。このソファーがな、こうやると倒れてな」
隼人がソファーを倒すと小さめのフラットなベッドが現れた。
「ところでこのソファーベッドは誰が使うんだ?」
「それはジャンケンだろ」
ジャンケン・・・・
絶対に負けられない。負けるわけにはいかない。絶対に勝つ。
絶対に負けられないジャンケンが始まった。
「ジャンケン・・・」
俺は渾身のグーを突き出したが、隼人と真司は示し合わせたかのようにパーを出してきた。
「負けた〜!」
負けてしまった。絶対に負けられない戦いに俺は負けてしまった。
「じゃあ俺はこっち側使うな」
「それじゃあ俺はこっちな」
2人が普通のベッドを占拠したので、俺はエキストラベッドに寝てみる。
寝れない事はないが狭い・・・
ダンジョンでの疲れが取れる気がしない。
俺がお金を払うわけではないので文句は言えないが、どうやらリア充とモブゲームで運を使い切ってしまったらしい。