A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (255)
第256話 2日目
俺は今ホテルダンジョンシティで朝を迎えた。
エキストラベッドで寝てみたが悪くは無い。悪くは無いが出来れば普通のベッドで寝たかったと言うのが本音だ。
昨夜は3人で俺の用意したカップ麺を食べて寝たが寝ながら色々話せて良かった。
真司のタイプがクラスメイトの前澤さんだとわかってびっくりした。どうも強いタイプの女性が好みのようだ。
朝の準備を済ませて2日目の探索に臨むがギルドに9時集合だった。
9時になる前に昨日と同じメンバーが全員そろっていた。
「それでは皆さん2日目の探索頑張ってください。2日目は気が抜けて怪我をする方も増えますので、気を引き締めてお願いしますね。今1番進んでいるのは17階層エリアのHー175のパーティですね。それでは解散です」
「海斗、17階層だってよ。すごいな」
「まあ元々のレベルが俺らより高いんだろ。俺は参加できる最低ランクのブロンズだからな。それにここは平面だからマップさえあれば、それ程時間をかけずに奥まで行く事もできるから」
「そうか、海斗で最低ランクなんだもんな。俺も頑張るよ」
「まあ張り切りすぎても失敗するから、集中して頑張ろうな」
ギルドでの点呼を終えたので早速昨日の所まで向かう事にする。
「おぃ、どうする?『黒い彗星』に声かけてみるか?」
「そうだな、あのサーバントともお近づきになりたいよな」
「サーバントが3人だもんな。超絶リア充は超絶金持ちなんだろうな」
「よし、じゃあ声かけるな。すいませ〜ん。ちょっと良いですか?」
なんだ?他のパーティの人が急に声をかけて来た。まさか絡まれるのか?
「はい。何か用ですか?」
「あの〜失礼ですけど『黒い彗星』さんですよね」
おおぃ。『黒い彗星』さんって俺の名前は高木海斗さんだけど。
「いえ、人違いだと思います」
「あっ、すいません超絶リア充『黒い彗星』さんですよね」
いや、そう言う意味じゃ無い。
「いえ違います」
「またまた〜。その漆黒の装備とサーバント3体って『黒い彗星』さんしか考えられないじゃ無いですか」
「いや、他にもいるかも」
「いえ絶対にいませんよ。もしかしてお忍びでこの遠征に参加してるんですか?」
お忍びって・・・
「いやそう言う訳では。それでご用件は?」
「ああ、できたら仲良くなれないかと思って声かけたんですよね」
「俺とですか?俺と仲良くしても余り良いことないですよ」
普段話しかけられる事は少ないので警戒してしまう。
「いやいや、超絶リア充さんと仲良くすれば、俺達もあやかってちょっとはモテるようになるかと思って」
「それ間違ってますよ。俺は全くリア充じゃないです。むしろ非リア充の代表です。俺にあやかっても、モテるどころかよりモテなくなっちゃいますよ。なあ隼人」
「う〜ん難しい所ですけど、俺はあやかっても全くモテる気配はないですね。真司はどう思う?」
「おそらくですけど『黒い彗星』と仲良くしても彼女ができるような事は無いと思います。俺は全く出来ていないので」
「そ、そう」
「残念ながら皆さんが思ってるようなご利益はないと思いますよ」
「それじゃあサーバントの女の子達を紹介してほしいな〜」
「う〜ん。こう言ってるけど」
「何かめんどくさいな。目障りだと燃やしてしまいたい衝動に駆られるぞ!」
「えっ?」
「ルシェ、そのぐらいにしといてくれよ」
「はは、ちょっと紹介してもらうのは難しそうですね。それじゃあ、また明日〜」
ルシェのセリフが効いたのか声をかけて来たパーティはそそくさと去ってしまった。
「ルシェ、ちょっと厳しくないか?」
「いえ、ご主人様。ルシェが言ってなければ私が代わりに言っていました。ご主人様と親しい方々には、精一杯努めさせて頂きますが、不純な目的で近付いて来られる方を相手にするつもりはありません」
「そうか。嫌な思いをさせて済まなかったな」
「いえ、ご主人様は何も悪くありません」
まあ、シルもルシェも俺と俺のパーティメンバーにはしっかりやってくれてるから問題ないか。
それにしても不純な動機で近づいてくる輩って隼人と真司は大丈夫か?