A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (257)
第258話 ビッグスライムスレイヤー
俺は今8階層エリアを探索している。
ゴブリンスレイヤーズと化した俺達は順調に探索をこなしている。
「結構この辺りはいけそうだな。時間も限られてるし9階層エリアまで移動してみようか」
「えっ?9階層か。俺達には未体験エリアだな」
「でもせっかく海斗達がいるし行ってみるか」
「シル達はどう思う?」
「全く問題ありません。次のエリアに向かいましょう」
まあシル達がいればもっと先のエリアでも問題ないだろうと思うので8階層を切り上げて9階層エリアに向かう。
マップを見る限りは隣接しているので、それほど時間はかからないはずだ。
「よし、じゃあ次のエリアを目指して移動するから移動中も気を抜かずに行こう」
途中オークの一団を撃退しながら9階層と思われるエリアまでスムーズに到達する事が出来た。
「ご主人様、敵です。3体ですが、移動速度は極めて遅いです」
移動速度が遅いとは、このダンジョンにしては珍しいな。9階層エリアになったので今までとは違う種類のモンスターなのかもしれない。
なぜか、しばらく待っても現れないので、俺達の方から向かう事にした。
「どんなモンスターなんだろうな」
向かって行くとモンスターを目視する事が出来たが、かなり大きい。
かなり大きいスライムだ。
「海斗、あれってスライムか?」
「そうみたいだな」
「海斗、あのサイズのスライムって倒せる物なのか?」
「まあ、もっと大きいのを倒した事も有るから大丈夫だろ」
「えっ?あれより大きいスライムって俺らのダンジョンにいるの?」
「ああ、隠しダンジョンで1回倒したけどあれの倍ぐらいあったぞ」
「あれって通常攻撃効くの?」
「う〜ん。通常の剣と槍じゃ難しいかもな。槌はやってみないと」
俺達は眼前にいる等身大程度の巨大スライム3体を倒しにかかる。
「隼人は今回後衛で行こうか」
俺と真司、ベルリアでそれぞれ一体ずつに相対し戦闘に入った。
俺はもちろんリュックがら殺虫剤を2本取り出して殺虫剤ブレスをダブルでお見舞いする。
いくら大きくても所詮はスライム、スライムスレイヤーたる俺のダブル殺虫剤ブレスの前には無力だ。
ただ、やはりデカイだけあってなかなか消滅まで至らない。
ブレスし続け殺虫剤を半分程使用した所でようやく消滅させることができた。
流石にこのサイズが大量に出る様だと、殺虫剤が間に合わないので他の方法を試みる必要があるかもしれない。
真司とベルリアに目をやると、それぞれがまだ奮闘していた。
真司は槌を手に攻撃を繰り返している。
見ていると槌による一撃はかなり威力があるようで確実にスライムの体を削っていっている。
「うお〜りゃ〜」
真司は槌による連撃を加えていき、どんどんスライムの体が小さくなって来た。
「どりゃ〜ああ〜」
汗だくになりながらスライムの体を削りきって消滅させる事に成功した。
流石に真司はパワー系だけあって力押しでの戦闘にはかなりの活躍を見せるな。
ベルリアに目をやるとこちらは苦戦していた。
斬りまくってはいるが、バスタードソードでは体積を削る事は出来ずにいる。
『アクセルブースト』も何回か使用してみている様だが、いいところ真司の槌の一撃程度しか効果を見せていないので、どう考えても倒し切る事は無理っぽい。
「お〜いベルリア、手伝ってやろうか」
「マイロード、心配には及びません。私が圧倒していますので時間の問題です」
ベルリアがそう言うのでしばらく待ってみたが、状況はあまり変わらない。
やはりベルリアとこの巨大スライムは相性が悪い様だ。
「おぃ、ベルリアいつまでかかってるんだよ。全然進めないだろ、私がやるから下がってろ」
「はい。ルシェ姫申し訳ありません」
「スライムなんか大きくなったって所詮スライムだろ、ベルリアも修行が足りないんじゃないか『破滅の獄炎』」
『破滅の獄炎』と巨大スライムは相性バッチリの様で一瞬で消失してしまった。
「ルシェ姫ありがとうございます」
とりあえず3体倒すことができたが、真司とベルリアの労力を考えると、やはり殺虫剤は素晴らしい。
残りが3本あるので1本ずつ渡しておこうかな。