A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (264)
第265話 死亡フラグ
俺は今ダンジョンで野宿をしている。
余りこんな機会もないので真司と隼人と3人で寝ながら話している。
「俺、ダンジョンから帰ったら前澤さんに告白してみようかな」
「本気で言ってるのか真司。そんな事お前にできるのか?」
「ああ、なんかこんな所で夜過ごすと人生について考えさせられるよな」
「急にどうしたんだ。気をしっかり持てよ!」
「いや、そう言うんじゃ無いって」
「やっぱり人生1回しか無いんだなと思ったら、俺明日死んだら後悔するなと思って」
「いや、だから死亡フラグ立てるなって。明日は絶対死なないから。俺が死なせないから大丈夫だ!しっかりしろ!」
「俺の後悔は17年間彼女がいなかった事だ。前澤さんが彼女だったら俺は明日死んでも悔いはなかったはずだ」
「真司〜。隼人なんとか言ってやってくれ」
「まあ俺も明日死んだら悔いが残るな。せっかくダンジョンも楽しくなって来たのに今死ぬ訳にはいかないな」
「だから言ってるだろ、そう言うのはダメなんだって」
「俺だって彼女が欲しい。帰ったら受付のお姉さんに声をかけてみようかな」
「隼人〜」
「それはそうと海斗も悔いが残らないように告白した方がいいぞ」
「いや、俺は死なないから大丈夫だ。心配いらないからな」
「今度から焚火でもできるようにガスボンベとか持って来といたら最高だな。ホテル代も浮くし言う事なしじゃ無いか」
「確かにな。1日ぐらいならいいかもな〜」
「多分ダンジョンで夜通し潜るのって申請がいるんじゃ無いか?今日もかなり心配かけてると思うぞ。まあ下層にいるとは思わないだろうから探しようも無いだろうけど。それと、ホテルのチェックアウトが不味く無いか?荷物捨てられないかな」
「多分大丈夫じゃないか、3人で謝って許してもらおうぜ」
「ああ、それじゃあ明日もあるしそろそろ寝ようぜ。ベルリア、スマホ渡しとくから、24時になるか、敵が来たらすぐ起こしてくれ」
「かしこまりました」
俺はそのまま眠りについた。余り神経質ではないのと、朝からずっと探索していた疲れで思いの外あっさり眠りにつく事が出来た。
「マイロード、失礼します」
「あ、ああっ。もう時間か。ベルリアそれじゃあ交代だ休んでくれ」
「はい」
俺はベルリアをカードに戻したが、この後どうしようか考えてみた。
シル1人に朝まで任せるのは明日に響きそうだが、間違ってもルシェを1人で見張らせる訳にはいかない。
「シルフィー召喚」
「ご主人様、それでは見張りをさせていただきますね」
「ああ、頼んだよ。それじゃあこれで4時になったら起こしてくれ」
「かしこまりました」
シルに任せて再び俺は眠りについた。
「ご主人様」
「ああ、時間か。シル助かったよ。後は任せてくれ」
「はい、よろしくお願いします」
俺はシルをカードに戻してから
「ルシェリア召喚」
「海斗、遂にわたしの出番だな。任せろって」
「いや、俺も一緒に見張るから大丈夫だ」
「寝てていいぞ。わたしがみててやるから」
「いや、大丈夫だ。俺も一緒に見張るから」
「なんか感じ悪くないか?せっかく好意で言ってやってるのに」
「ああ、それは嬉しいよ。でも俺も一緒に見張るからな」
「わかったよ」
俺はルシェ1人に任せるほど愚かではない。好意だろうがなんだろうが、こいつはやらかす。今までやらかして来ているのだから、自分たちの為にも、俺も一緒に見張る。そうでなければ目が冴えて寝れなくなってしまう。
そこから朝まではルシェと2人で見張り当番をする事になったが、なぜか春香の事を根掘り葉掘り聞いて来たので、適当にスルーしておいた。