A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (265)
第266話 ダンジョンモーニング
俺は今ダンジョンの下層で見張りをしている。
スマホを見ると朝の6時になったので真司と隼人を起こす事にする。
「朝だぞ、起きろ。そろそろ探索を開始するぞ」
「う、う〜ん。もう朝か」
「俺疲れて熟睡してた。案外ダンジョンでも寝れるもんだな」
「よし、それじゃあ準備して出発するぞ。出来れば早い時間帯に上層に戻りたいからな」
「おう、そうだな」
「よし、頑張るか〜」
3人共マントを装着してから荷物を背負い探索を開始する。
「シルフィー召喚。ちょっと休む時間が短いかもしれないけど、シルが居ないと探索進まないからな。頼んだぞ」
「はい。ご主人様に頼っていただいて嬉しいです。全く問題ありません」
「ルシェはどうする?ちょっと休むか?」
「シルが頑張ってるのに姉の私が休むわけにいかないだろ」
だからルシェ、お前は姉じゃなくてどう考えても妹だろ。
「そうか、じゃあ頑張って行こうか」
「ご主人様、ベルリアは召喚しないのですか?」
「あっ、忘れてた。ベルリア召喚。ベルリア、今日も一日頼んだぞ」
「はい。頑張ります」
全員揃って準備も終わったので、マップを確認して早速出発する。
昨日の内に半分よりも進んでいるので順調にいけば、今日の昼過ぎぐらいには上階へ出られると思う。
現在地は22階層エリアだが、目的地の階段までは最高で24階層エリアに足を踏み入れる必要があるので注意して臨みたい。
「海斗、見張りもしてくれたんだよな。ありがとうな」
「俺も見張りをしようと思ってたんだけど朝まで目が覚めなかった」
「まあ、ダンジョンで寝るなんてなかなか無いからな。まあいい経験になったよ」
「ご主人様、敵モンスターです。右方向から来ています」
「よし、みんな前方に走るぞ!」
昨日に引き続き、今日の作戦もシルが感知したらとにかく逃げるだ。昨日もこれで被害なく行けたので格好悪くてもこの作戦を今日一日続けるつもりだ。
「朝から全速力で走ると流石に堪えるな」
「朝一は体が動かないな」
「それは言えてるな。こんな時間から探索した事ないしな。準備運動でもしとけばよかったかな」
「まあ、今走ったので準備運動完了だろ」
「早朝ダンジョンも誰もいなくて静かだし、爽やかでいいかもしれないな」
「健康のために朝ダンジョンいいかもしれない」
「ははっ。もう3人とも完全にダンジョン中毒者だな」
「海斗の影響大だな」
「うん。間違い無いな。海斗の病気がうつっちゃったな」
「大学行っても、これが続けられるといいな」
「そうだな。でも夜はモンスターの襲撃なかったんだな」
「おお、俺もモンスターって夜行性なのかと思って心配してたけど、実際は夜はモンスターも寝てるのかもな」
言われてみると、夜は物音一つしなかった。運良くいたエリアに夜行性のモンスターがいなかったのかもしれない。いつものダンジョンは暗所だから、あのモンスター達は夜行性と言えるのかもしれない。
その後も、モンスターから逃げつつ階段への距離を詰めていくが、現在地は24階層エリアだ。
「ご主人様、正面からモンスター4体です」
「よし、みんな左に入って逃げるぞ」
俺達は正面のモンスターを避け左側に走って逃げる。
「ご主人様正面からも3体です」
「よし挟まれないように右折するぞ」
こんなところで挟まれてはたまらないので急いで右折して逃げる。
「ご主人様、また正面から別のモンスターが4体来ています」
後方には恐らく、先程のモンスターのどちらかが追って来てるだろうから、今更引き返す事は出来ない。
ただ正面を突破するにしても、交戦している間に追いつかれて挟撃される恐れがある。
まずいな。ここは24階層エリア、モンスターの相手をするのは真司と隼人には荷が重すぎる。