A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (272)
第273話 事後報告
俺は今家で目覚めたところだ。
目覚ましがなり目が覚めたが、やっぱり家のベッドはいいな。
早く寝たお陰でかなり疲れが抜けたのでスッキリしている。
身支度を済ませて、学校へ向かったが、クラスではちょっとした問題が発生していた。
真司と隼人が始業時間になっても連絡無しに、やって来なかったのだ。
何かトラブルがあったのかと心配したが2人共12時を前にぼ〜っと現れた。
昼休みになったのですぐに2人に喋りかける。
「2人共どうしたんだよ。心配したぞ」
「あ〜。ごめんごめん。寝過ごしちゃったんだ」
「俺も起きたら11時だった」
「お前ら王華学院受けるって言ってたよな」
「ああ、まあ一応な」
「真面目に授業受けないで受かると思ってるのか?」
「いや〜。昼からは倍頑張るから大丈夫だって」
「俺もこれから勉強頑張るよ」
俺達が話していると、春香と前澤さんがやって来て前澤さんが声をかけてきた。
「2人共、思いっきり遅刻だったけど何かあったの?」
「いや〜。思いっきり寝過ごしちゃって」
「ああ、疲れが溜まってたんだと思う」
「疲れが溜まってたって、遠征ってそんなに大変だったんだ?」
「それが、ダンジョンの中で1日過ごす事になっちゃって……」
「えっ?ダンジョンの中で過ごす事になっちゃったって、どう言う意味なのかな?」
隼人が調子良く話していると、春香が聞き返して来た。
「あ……。いやなんでも‥ないです」
「そうそう、なんでもないよ。大丈夫」
突然隼人の反応が悪くなった。
「私もダンジョンの事詳しくないんだけど、ダンジョンってキャンプとかできるんだ」
なぜか前澤さんまで参戦して来た。
「いや〜。出来ないことはないと思うな〜」
「そうそう、まあ楽しかったからいいんじゃないかな〜」
「海斗、ダンジョンで泊まったの?」
「ああ、そうなんだよ。ちょっとトラブルがあってダンジョンで寝たんだよ」
「海斗、それって危なくないの?」
「まあ、危なくない事はないけど」
「おぃっ、海斗」
「なんだよ」
隼人が何か言いたそうな目でこちらを見てくる。
「葛城さん、前澤さん。俺達3人で泊まったからキャンプみたいなもんだよ。実に楽しく過ごせたよ。うん本当に」
「水谷くん、ちょっといいかな。本当に何もなかったのかな。危ない事はなかった?」
「え〜。あ〜。まあ。危ない事がなかったわけでは無いけど」
「詳しく教えてもらえるかな」
「あ〜。は〜。はい……」
何故か春香からプレッシャーを感じる。隼人に話しかけているはずなのに、俺の周りだけ空気が重い。
これはまさか怒っているのか?春香は俺に怒っているのか?
怒っているとすれば、ダンジョンに泊まった事にだよな。危なくない事は無いって言ったからだよな。
これは……隼人頼んだぞ!
「あのですね。今回2泊3日で遠征に行きまして、初日はそれなりに順調に行ったので、ホテルに3人で泊まったんです」
「うん、そうなんだね。ホテルはどんなところに泊まったの?」
「ホテルダンジョンシティって所で、安かったんだけど3名一室で、ジャンケンに負けた海斗がエキストラベッドで寝たんだよ。まあ修学旅行みたいで楽しかったです」
「男の子っていいね。それでどうなったのかな?」
「それがですね、2日目にちょっとトラブルがありまして。ダンジョンの床が抜けて落ちちゃったんです」
隼人から妙に緊張した雰囲気を感じる。しかも話し方がおかしい。完全に敬語になって来ている。
「床が抜けて落ちたって大丈夫だったの?」
「それってかなりやばい状況なんじゃない」
前澤さんも加わって隼人が劣勢に立たされている。
頑張れ隼人!