A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (275)
第276話 春香と新たな剣
俺は今ダンジョンマーケットに春香と一緒に来ている。
高位素材のニューマントを購入したので後は剣の購入だ。
「海斗、この前の剣は100万円だったと思うんだけど、今度の予算はどのぐらいを考えてるの?」
「そうだな〜。さっきのマントが思ってたよりも金額が高かったから、出来ればこの前と同じ100万円迄で買いたいんだけどな〜」
「うん。じゃあ予算は100万円以内で決めようね。でも剣って折れるんだね。あんなに頑丈そうな剣だったのに」
「まあ、今回は特別だよ」
そう言いながら、いつものおっさんの店に向かった。
「すいませ〜ん」
「おう、坊主とお嬢ちゃんか。仲良くやってんのか?」
「はい。まあ」
「おかげ様で、仲良くさせてもらってますよ」
「今日は何だ?ショットガンでも買いにきたのか?」
「まあ、それも欲しいのは欲しいんですけど」
「350万あるのか?」
「350万!? 海斗ちょっといいかな」
「うん、何?」
「今日の予算は100万円だよね」
「うん、その予定だけど」
「それじゃあ、さっきの350万円って何かな?」
「いや、100万円は剣の予算で、さっきの350万円はショットガンの値段だよ」
「海斗!ダメだよ。100万円でも高いのに、350万円なんてダメだからね。将来の為にもしっかり貯金しておいた方がいいよ」
「いや、まあ今すぐ買うわけじゃないから。そのうちだよそのうち」
「そのうちもダメだからね!次から私も一緒だからね」
なぜか春香に怒られてしまった。
まあ、探索用の装備は高額のことが多く俺の感覚が麻痺して来ていることは否定できないので、春香の様に止めてくれる人がいると言うのは俺は幸せ者なのかもしれない。
まあ頻繁に武器が破損してもらっては困るが、春香が一緒に来てくれるなら悪くない。と言うか嬉しい。
「お嬢ちゃん、話し合いは終わったのか?」
「はい、もう大丈夫です。今日は剣を見せて貰いに来ました。余り高いのは無理なので、この前見せてもらったのと同じぐらいの剣を見せてもらっていいですか?」
「剣?剣はこの前買ったばっかりじゃね〜か。お嬢ちゃんも探索者始めたのか?」
「いえ、そうではないんですけど。海斗がダンジョンでこの前の剣を折ってしまったみたいで」
「は〜?剣が折れた?この前売ったのはバスタードソードだったよな。しかもそれなりの出来のやつだったはずだぞ。刃が欠けたって言う意味か?それだったら補修がきくかもしれね〜ぞ」
「いや、そうじゃなくて根本からポッキリ折れちゃったんですよ」
「おいおい、どこをどうやったらバスタードソードが根本から折れるんだよ。壁を斬っても簡単には折れね〜はずだぞ!」
「この前の遠征で硬い敵に遭遇して、何度か使ってると折れちゃいました」
「硬い敵って、剣が折れるほどの敵って一体。それに普通は剣より腕とかの方が折れるだろ。どうなってるんだよ」
まあそれはベルリアがすごいだけなんで。
「まあ、たまたまですよ。たまたま」
「坊主の言ってる意味がわからんが、ちょっと待ってろ」
そう言っておっさんは倉庫に消えて行った。
「海斗、やっぱり剣が折れるのって普通じゃないんだね。無理してるんじゃない?」
「今回はちょっとだけ無理したけど大丈夫だよ。剣が折れたのは、本当にたまたま運が悪かっただけだから」
話しているうちにおっさんが、剣を数本持って来てくれた。
「前回と同じのもあるけどな、こっちの2本がバスタードソードだ。まあ汎用性が高い。こっちが25万でこっちが120万だ。こっちがブロードソードとグレートソードだ。ブロードソードが80万でグレートソードが150万だ。」
「バスタードソートが前回よりも高いですね」
「同じ物じゃね〜からな。それぞれ値段はちょっとずつ違うんだよ。前回も言ったかもしれね〜けど俺のおすすめはグレートソードだぜ。流石にこれは折れね〜と思うぞ」
グレートソードか。150万円はなんとかなるが、ベルリアが使うには大きすぎる。
ベルリアの事だから使いこなしはすると思うが、さすがにバランスが悪いので性能を引き出すことは難しいと思うが悩みどころだ。