A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (312)
第312話 レベル20
俺は遂にレベル20に達した。
ドロップアイテムに気を取られていたのだが、何気にステータスを確認するとレベルが上がっていた。
レベル自体には余り意味は無いのは分かっているが、やはりレベル20に達した事は1つの区切りとなる数字でもあり素直に嬉しい。
このタイミングでのレベルアップは、恐らく遠征先のダンジョンでの経験値とこれまでの経験値が合わさって今レベルアップしたのだろう。
しかし、今回止めを2体とも俺が行ったので、経験値にラストアタックが関係しているのであれば少し複雑だ。
まあ、気に留めずにこれからもパーティで連携をとって頑張っていきたい。
「みんな、俺さっきの戦闘でレベルアップしたみたい。レベル20になったよ」
「レベル20ですか。すごいのです」
「もう立派な中級探索者だな」
「私も早くレベル20になってみたいわ。そういえば何かスキルとか魔法は発現したの?」
ミクに言われて、再びステータスをじっくりと見てみる。
高木 海斗
ジョブ アサシン
LV19→20
HP 70→75
MP 42→46
BP 71→76
スキル
スライムスレイヤー
ゴブリンスレイヤー(微)
神の祝福
ウォーターボール
苦痛耐性(微)
愚者の一撃
ステータスは軒並み良い伸びを示しているが、問題が発生している。
「あの〜ミクさん、スキルも魔法も発現してないんだけど、1番上にジョブって言うのがあるんだ」
「ジョブって何?」
「いや俺が聞きたいんだけど、ジョブって何?」
「どう言う意味?ジョブって言うスキルが発現してるって事なの?」
「海斗さんジョブって職業って意味じゃ無いのですか?」
「それは俺にもわかるんだけど」
「海斗、ジョブとだけ表示されているのか?」
「いや、それがジョブの所に『アサシン』と表示されています」
「それって………」
普通に考えて、俺の職業が『アサシン』って事だよな。
ちょっと待ってくれ、職業『アサシン』ってやばすぎるだろう。
ポイントカードの申し込みとかの職業欄に『アサシン』って書いたら一体どうなるんだ?
多分通らないんじゃないだろうか。
しかもアサシンって日本語だと暗殺者だぞ。
俺は暗殺者なんかじゃ無い。誰も殺した事はないぞ。
しかも日本で暗殺者が合法だとも思えない。
「海斗さん、やっぱり『アサシン』だったんですね」
「いやいや、俺は『アサシン』なんかじゃ無いって」
「だってステータスにジョブ『アサシン』って出てるんですよね」
「それは出てるけど」
「じゃあやっぱり『アサシン』じゃ無いですか。元々忍者かアサシンぽいなとは思ってたんですよね」
忍者かアサシンぽい………ヒカリン、それはゲームの中の話では無いですかね。俺は、現実の世界のステータスに『アサシン』って出てるんですよ。
「海斗、ジョブとアサシンの詳細は見れないの?」
「やってみるよ」
俺はステータスのジョブとアサシンの所に意識を向けた。
ジョブ……対象者が特定の動作を行う場合に補正がかかる。
アサシン………闇と共に無音で敵を葬り去る者。
なんだこれ………
ジョブは分かった。恐らくジョブに該当する職業に沿った行動を行う時に補正がかかるのだろう。
つまり俺の場合は『アサシン』としての行動を行った時に能力補正がかかると言う事だろう。
しかし問題は『アサシン』だ。闇と共に無音で敵を葬り去る者。これは一体なんだ?
闇と共にって俺、闇の住人みたいだけど。しかも無音で敵を葬り去る者って何だ?
「海斗、どうだったのよ」
「それが、見れるには見れたんだけど……」
「どうだったのよ。歯切れが悪いわね」
「う〜ん。それが……」
これを普通に話して大丈夫だろうか?
闇と共に無音で敵を葬り去る者…………。