A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (32)
第32話 話し合い
なんとかセミ型のモンスターを倒したものの、疲労困憊となった俺は、さっさと家に帰ってベットとお友達になった。
次の日、ダンジョンの1階層の片隅で、シルとルシェリアを喚びだし、話し合いをすることにした。
「今日もこれから、4階層に潜ろうと思うが、その前にちょっと話があるんだ。」
「はい。なんでしょう?」 「なんだよ」
「昨日の戦闘のことだ。『Gちゃん』との戦いの時に、一撃もらって、吹き飛んだんだけど、なんのサポートもなかったよな」
「はい。」 「まあ」
「その後のセミ型も、音で苦しんでいるのは、みてたよな。」
「・・はい」「・・まあ」
「ボウガンの攻撃が効かずに、苦し紛れの『ウォーターボール』でなんとか倒せたのも、みてたよな。」
「・・・.・はい」 「・・・・まあ」
「今度戦ったら、上手くいかないかもしれない。死んでしまうかもしれないな。」
「・・・・・・・・」 「・・・・・・・・」
「虫が苦手なのもわかる。 だけど、いざという時にはサポートしてほしい。」
「すみません・・・・」 「それはわかるけどさ・・・・」
「だったら次から頼むよ!」
「無理です ! 無理なんです !!」 「絶対無理 !!」
「お前たちに被害が及ばないように前衛には俺が立つ。基本全部俺が戦うから、危ないときだけ頼むよ。」
「うー・・・・・」 「あー・・・・・」
「頼むよ。」
「・・・はい」 「・・・わかったよ」
なんとか頼みこむかたちではあるが、話し合って解決の方向には向かえたと思う。
ちょっと不安ではあるが、こればかりは、実戦で様子を見てみるしかない。
早速4階層に潜り、『Gちゃん』の群れ、なんと4匹の群れに遭遇してしまった。
「シル『乙女の鉄壁』頼む」
『乙女の鉄壁』に阻まれた4匹のうち、2匹は近い位置にいたので 2本持ちのダブルブレスで撃退することに成功したが2匹は、素早く「ガサ、ガサ」と離散した。
俺はそれぞれを追っていった。
1匹に向かってダブルブレスをお見舞いした。
お見舞いしている最中にガラ空きになった俺の背中に
「ドカーン !!!」
「ううっ」
最後の1匹が死角から フライングアタックを仕掛けてきたのだ。
痛みと、呼吸困難で、すぐには動けなかった。
まずい。やられる。
『ズガガガガーン』 『グヴオージュオー』
本気で焦ったその時、いつもの爆音が響いた。
爆音の後には『Gちゃん』は消失し魔核が残されているだけだった。
痛んだ体でゆっくりと後ろを振り向くと、そこには半泣きになりながらスキルを使用した、
シルとルシェリアの姿があった。
「たすかった・・・」
俺の今の力では3匹でぎりぎり、4匹は限界を超えているようだ
今回受けたダメージも過去最高、死を予感させるに十分なものだった。
実際にシルとルシェリアのサポートがなければ死んでいた可能性が高い。
本当に助かった。
シルとルシェリアには本当に感謝だ。
ただ・・・贅沢を言えば、全部見ていたのだから、背後から襲われる前に撃退して欲しかった。