A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (335)
第333話 対ベルリア戦
俺は今ベルリアと戦っている。
俺の今のBPは76。
ベルリアのBPは99。
その差は23あるのでまだまだ開きはあるが、ベルリアが通常の剣を使用しているのに対して俺はバルザードLv3
とナイトブリンガーそして『アサシン』の効果やブレスレット、理力の手袋を身に付けているので実際のBPからかなりかさ上げされているはずだ。
普段の訓練では軽くいなされてばかりだが、この辺で俺も主人としていいところを見せておきたいと思い、挑戦する事となった。
「ベルリア、真剣にやってくれ。ただし大きな怪我は無しで行こう。腕とか無くなったら洒落にならないからな」
「マイロードある程度は『ダークキュア』で治りますので大丈夫です」
「ベルリア、治るから大丈夫とかじゃ無いんだ。腕が斬れたら俺はショック死するかもしれないし、腕以外も無理だからな」
「そうですか。分かりました。それでは『アクセルブースト』は控えさせていただきますね。力加減が出来ませんので」
「そうだな、そうしてくれ。腕どころか胴体ごといかれそうだもんな」
距離をとってバルザードを構える。
「それじゃあ行くぞ!」
気合を入れてベルリアに対峙する。
正面から斬り合うべくバルザードを構えて踏み出して斬りかかる。
ベルリアが左の剣で受け止めたのでそのまま押し込もうとするが全く押し切れる気配が無いので、諦めて角度を変え再度切りかかる。
今度もあっさりと受け止められてしまい、その瞬間右手の剣で俺の首筋に向かって剣を振われ、あっさりと勝負は決してしまった。
俺としては本気でやったつもりだが、正攻法では全く勝負にならなかった。正に瞬殺だった。
「まいった。やっぱり強いな。悪いけどもう1回いいか?」
「もちろんですよ。何度でも大丈夫です」
「よしっ!」
俺は気合を入れ直して再びバルザードを構えた。
ベルリアが隙を見せてくれるとも思えないので、少しずるいが開始の合図の前にチャージしておいた斬撃をそのまま飛ばす。
それと同時にナイトブリンガーの効果を発動してベルリアの正面から外れるように移動する。
チャージした斬撃を避けるためにベルリアの視線は俺から完全に外れた。
そのままベルリアに向かって踏み込んでいくがベルリアの剣が俺のすぐ横を横切る。ほんの少しだけ剣のスピードが遅く感じるので避ける事が出来たが、避けなければ当たっていた。
ただ、ベルリアの攻撃は完全に俺を捕らえた訳では無く、先端が当たる感じだった。
完全に姿を消せた訳では無いが一定の効果は発揮しているようだ。
ただ止まればすぐにやられるので、全力で動き続ける。
背後まで回り込んで剣を振るうが、ベルリアは察知したのか振り向かずにそのまま前方へ進み避けられてしまった。
今度は避けられないように追いかけて突きを入れようとするが、ベルリアが反転してこちらに向かって攻撃するのが見て取れたので、バックステップを踏んで一旦下がる。
「ふっ」
聞こえないように短く呼吸をしてからバルザード斬撃を至近距離から飛ばす。
ゼロ距離とは言わないが剣が届く位置からの見えない斬撃なので防ぎようが無いはずだ。
俺の気配は感じていても斬撃は見えないはずなのに、ベルリアが2刀を十字に払った。
流石に完全には防げなかったようでベルリアにもダメージが入るが、俺の位置を完全に把握したようで真っすぐに2刀で攻撃を仕掛けてくる。一撃目は何とか防ぐ事が出来たが、その次の攻撃は避ける事ができず、ナイトブリンガーに当たってしまった。
痛い……
鎧越しだが当たるとかなり痛い。
「参った」
これ以上は優位性を保てそうになかったので、すぐに降参した。
「マイロード、先ほどの攻撃は素晴らしかったです。私がマイロードの手の内を知っていたので、予測して対応する事が出来ましたが、そうで無ければどうなっていたか分かりません」
やはりまだまだベルリアには通用しなかったが、ベルリアの言葉は嬉しかった。
そのあと何度か戦って見たが、完全に手の内がバレてしまったのであっさりとひねられてしまった。
やはりベルリアの壁は高いが、最初よりは距離が詰まってきているような気がするので、これからも頑張っていきたい。