A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (348)
第346話 探索者サークル
俺は今学校にいる。
お昼休みに弁当を食べながら、真司と隼人と話をしている。
「海斗、実はな、大事な話があるんだ」
「どうしたんだ?まさかふられたのか?」
「いやそうじゃないって。ダンジョンの事なんだけどな」
「ああ、ダンジョンの事か。どうした?行き詰まったのか?」
「そう。実はここのところ完全に行き詰まったんだ。それでなパーティメンバーを増やす事にしたんだ」
「メンバーを?2人とも懲りたんじゃ無かったっけ」
「ああ、もちろん女の子は懲りた。だから男だけでメンバーを組む事にしたんだ」
隼人と真司が真剣な顔で何事かと思ったらパーティ増員の話だった。
「どうしても2人だけだと10階層へ行くのは無理そうだったから、ギルドで相談してな、同レベルの5人組のパーティに入れてもらう事にしたんだ」
「じゃあ全部で7人組になったって事か」
「そうなんだ。実は先週から組んでるんだけど、みんないい奴で順調に行ってるんだ」
「もう一緒に潜ってるのか?なんで言ってくれなかったんだよ」
「またすぐに失敗したら恥ずかしいから、ちょっと様子を見てから伝えようと思ってたんだ」
真司達の気持ちもよくわかる。確かに2人だけでこのまま進んで行くのは無理があった気がするし、7人組だと俺達と一緒だ。俺たちの場合は、それに1匹多いが。
やはり、10階層以上はこのぐらいの人数は最低必要になってくるのかもしれない。
「それでな、メンバーから聞いたんだけど探索者のグループが独自に運営している探索者のサークルみたいなのがあって、そこに参加するとダンジョンの情報を色々共有できるらしいんだ。ただ秘密保持契約を結ぶから内容は海斗にも言えないんだけど、出現するモンスターの種類や弱点とかマップとか情報もらえるんだそうだ」
「そんなの有るのか。俺もう4年近く潜ってるけど聞いた事なかったな」
「会費が月に3万円と自分達の得た情報開示が義務付けられるからな」
「あ〜」
話を聞いてサークルなんて便利なものがあるなら是非俺も登録したいとは思ったが、条件的に俺には無理だ。
月に3万円は問題無いが、俺の情報開示は難しい。
サーバントの3人と装備やスキルの事を公表するのは流石に無理だ。他のメンバーについても、今までの言動から積極的に他の探索者と交わる事を好んでいるとは思えないのでやはり難しい気がする。
「やっぱり俺は無理っぽいな。俺とサーバントの事は内緒で頼むな」
「まあ『黒い彗星』の事はみんな興味あるだろうけど勿論内緒にしとく」
「シルさんやルシェさんの事を俺らが売れるわけがないだろ」
「助かるよ。それと俺からアドバイスな。先週俺14階層まで行ったんだけど、いきなり悪魔に襲われたんだ。しかも3体。2人も、もし悪魔と遭遇する事があったら何がなんでも逃げろ。俺はサーバントと他のメンバーがいたから何とかなったけど、冗談抜きでやばいから」
「悪魔……師匠みたいなのとやり合ったって事か?」
「下級悪魔だったけど今のベルリアより力は上だったと思う」
「まじか………」
「海斗よく無事だったな。どうやって逃げたんだ?」
「いや何とか倒せたんだ。だけど本当にギリギリだったよ」
「そうか……さすがだな」
「やっぱりダンジョンって悪魔がいるんだな。でも今まで悪魔に遭遇したって聞いた事無いな。海斗限定キャラとかなのか?」
「そんな訳ないだろ」
一体俺限定キャラとは、なんなんだ。しかも悪魔が俺限定とかは嫌すぎる。ベルリアと合わせてまだ2回遭遇したに過ぎないので、あくまでもたまたまだ。
2度有る事は3度有ると言うが、出来れば3度目は無い方が嬉しいが、レアアイテムが手に入っているので文句は言えないな。
レアアイテムと言えばインプの残したリングは鑑定の結果俺の持っているレジストリングとは違いMP消費量を魔法使用時に10パーセント節約してくれるリングだったので、1番魔法使用頻度の高いヒカリンが使うことになった。
オーブとリングをヒカリンに渡したので今後不公平感なく探索を進めていけそうだ。