A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (389)
第387話 ギルドミーティング
俺は今ギルドに戻って来ている。
扉から引き返して来てそのまま全員でギルドまで戻って来た。
「それでは、明日エリアボスに挑む事となりますが今日何か気がついた事があればお願いします」
ギルドの職員が集まった探索者に呼びかけるが誰も声を上げない。
俺的にはダンジョンが狭くて全員で一斉に戦う機会が無かったので不安しか無いが、他の人達は大丈夫なんだろうか?
「何もないですか?無ければ明日9時に集合でお願いします」
本当に誰も何も言い出さない。
やはりみんなの前で発言するのは憚られるんだろうか?
K-12のメンバーに目配せをするが一様に俺に発言しろと言う無言の合図を送ってくる。
3人共目は口程に物を言うを正に体現している。
あまり気はすすまないが、このままで不安なまま臨むのも怖いので小さく手をあげてみた。
「はい。どうされましたか?」
「あの〜。今日一度も全員で戦って無いので、明日本番の戦い方と言うか連携が分からないんですけど……」
俺が遠慮がちに質問したと同時に
「ああ、それ俺も思ってたんだよな〜」
「そうそう、連携も何も無いよな」
「適当に全員で戦ったら混乱するよな」
と俺に同調するような声があちこちから聞こえて来た。
そう思ってるんだったら年上なんだから率先して言ってくれよという思いと、年上でも皆んなあんまり変わらないんだなという親近感とが同時に押し寄せて来た。
「それでは陣形的な事を打ち合わせておきましょうか。既に数パーティが挑んでいますのでマッピング情報がありますので、紙上の図面にパーティの担当エリアを記載して配らせていただきます」
「後、戦い方なんですけど……」
「パーティ毎の担当エリアをある程度区切らせて頂きますが、実際には紙上通りいかない事も考えられますので、そこは現場で臨機応変に対応して頂く他はありませんね」
言っている事は理解できるが、現場でそう上手くいくものだろうか。
「他に何かありませんか?」
「もう一ついいですか?事前にモンスターの情報はもらったんですけど、特に弱点とか気をつける事とかって分かりますか?」
「正直、まだ撃破に至っていませんので弱点などは、詳細は不明ですが見た目以上に防御力があり硬いとは聞いております。また前回のパーティが挑んでから少し時間が経過しておりますので、現場の状況が変化している事も考えられますので挑んで頂いたその場で対応していくしか無いと思われます」
「そうですか。わかりました」
これ以上質問しても詳しい内容は出て来そうに無いので、まだまだ知りたい事もあったがそこまでにしておいた。
ギルドはやはり現場では無いので、多少お役所仕事感があるのは仕方が無いのだろう。
その後すぐ全員に図面が配られたが、図面というか隠し部屋は、ほぼ四角形に近い形をしており、6パーティが扉から進んで横1列に展開して配置されており、俺達は向かって1番左端を担当する事になっている。
恐らく今日前を探索していた4パーティが中心に並び俺達と後方をついて行っていたパーティが左右の端に配置されているのだろう。
まあ他のパーティの邪魔にならない様に端っこで頑張りたいと思う。
「私達端っこね」
「まあ俺達15階層に潜ったばっかりの1番下っ端パーティだからな」
「そうね。でも今日の感じだと私達ってこの中じゃ射程が長い方だと思うんだけど、端っこだけでいいのかしら」
「そこは臨機応変にって言ってたから、邪魔にならない程度に自由にやればいいんじゃ無いか?」
「なんか思ってたよりも窮屈な感じね」
「そうですね。ゲームのレイドバトルみたいに一斉にかかって殲滅するのかと思ってたのですけど、よく考えてみるとダンジョンで35人一斉は無理ですよね。仮にオープンスペースでも35人が取り囲んで攻撃とか無理ですよ。やっぱりゲームの世界は自分中心でいけるので、スペース的なものまでは殆ど考え無くていいですもんね」
ヒカリンの言う通りだが、明日は全員で連携をとって殲滅する事になると思うので、しっかりと脳内シミュレーションをしておきたい。