A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (390)
第388話 レイド当日
いつもより少しだけ早く目が覚めてしまった。
今日が初めてのレイドバトルの日だからだ。
今までも命を削る様な戦いをして来たが、それは結果的にであり今日の様に事前に分かっていた事は1度も無い。
今日の敵は既にどんなモンスターか判明しているし俺達の他に5パーティもいるので危険度はかなり低いと思うが、それでもいつもより緊張してしまう。
昨日寝る前に脳内トレーニングは何度も済ませた。
体調もほぼ万全なので今日のバトルにはしっかりと対応できると思う。
朝支度を終えてから、9時の集合に間に合うように家を出てギルドに向かう。
ギルドに行く前にレンタルロッカーで装備を整えてから、気合を入れ直してギルドへと向かう。
ギルドに着くと既にミクとあいりさんが待っており、5分程でカオリンもやって来た。
他のパーティもほぼ揃っている様で9時になると同時に6パーティがギルド内へと進んだ。
「それでは今日、皆様でエリアボスを討伐して頂きます。今回は6パーティで臨んでいただきますので、まず大丈夫だとは思いますが、当然皆様の命が最優先ですので危なくなったら各自撤退してください」
ギルドの人が言っている事は至極当たり前の事なのだが、何となく巷で言うところのフラグっぽくってちょっと引っかかってしまった。
まあ俺の受け取り方の問題なので、こう言う時はもっと素直になった方がいいのだと思う。
そこからは昨日と同じ様に15階層まで全員で向かった。
「みんな、準備はもう大丈夫?」
「当然だな」
「昨日はいつもよりいっぱい寝ましたからね」
「お肌の手入れも万全よ」
あまりお肌の調子はレイドバトルに関係するとは思えないが、それだけ心に余裕もあると言う事なのでいい事なのだろう。
そこからは昨日と同じルートを同じメンバーで進んだので、昨日よりもスムーズに進む事が出来た為、およそ2時間で目的地迄到達する事が出来た。
今日も俺達パーティが交戦したのは2回だけだったが、今日は初日に交戦した金の豚と銀の豚と戦う事となったが、実際に戦って見てようやく金と銀の違いがわかった。金の豚は物理攻撃に強く銀の豚は魔法攻撃に対して耐性を持っていた。
金銀混合の豚がいればさらに手強かったのだと思うが、そんな豚はいなかったので前回の様に吹き飛ばされる事なく倒す事が出来た。
前回の失敗と昨日の経験を生かして、ほとんど消耗無しで目的地の扉の前までやって来る事が出来た。
俺達だけではなく全てのパーティが万全の状態で気合を入れ直して扉に集中する。
「それじゃあ開けるぞ!各パーティ持ち場は把握してるな。行くぞ〜!」
先頭にいたパーティのメンバーが声を上げて隠し扉に手をかけた。
遂に俺にとって初めての本格的な集団戦が始まった。
扉は全員が一斉に入れる程は大きくないので、ここまで進んで来たパーティ順に走って中に入って行く。
すぐに俺達の順になったので前のパーティに遅れない様に急いで中に入り、部屋の1番左を目指して走るが、先に入っていたいくつかのパーティは既に交戦状態となっており、剣戟の音が聞こえて来る。
俺達も持ち場に着くと同時に直ぐに指示を出す。
「みんな、今日は節約も遠慮も無しだ!とにかく倒し切る事だけに集中だ!俺とベルリア、あいりさんが前に出る。シルもやばくなったら前に出てくれ!後のメンバーは後方から撃ちまくって!」
脳内では飽きる程にシミュレーションを繰り返したが、実戦ではこんなのはやった事ないのでとにかくやってみるしか無い。俺も速攻で終わらせるべく敵に向かって行く。
「おおおおおおぉぉ〜!」