A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (4)
第4話 シルフィーの力
幼女シルフィーが顕現して、俺は叫んだ「俺の10億返せー!!!」
ゲスい自分が呪わしい。
ダンジョンからタイムマシンがドロップしないだろうか?
どうにかして5分前に戻れないだろうか?
夢とロマン?厨二夢??なんだそれ。
俺は頭がおかしくなったのか???
一般家庭に生まれたLV3のモブの俺が人生の選択を間違えた・・・
どうしてこうなった・・・
5分前の頭のおかしい俺が10億円のかわりに選択したのはシルフィーだ。
俺のサーバントだ。
シルフィー それは俺のサーバントの『幼女』だ。
俺はお金と夢とロマンを追いかけていた探索者のノーマル高校生だ。
決して幼女趣味は無い。
No ロリータ Yes バイバイ
言い知れぬ後悔と虚脱感が襲ってきたが、もはや後の祭りだ。
「ご主人様 どうかしましたか?」
シルフィーの声に我に帰った。
もうどうしようもない。召喚してしまったものは仕方がない。幼女と言えどもサーバントには違いない。
俺は気をとりなおし「スライムを狩りに行くぞ」と声をかけた。
そのあとすぐにスライムに遭遇した。
普段は1時間に1匹程度の遭遇確率だが今回は10分程度で遭遇した。
もちろん偶然ではなくシルフィーの能力によるものだ。 スキルではないようだがモンスターの気配を察知できるようで
「ご主人様こっちです」と誘導された先にスライムがいた。
俺はシルフィーに「一人で倒せるか?」と聞いたが「もちろんです」と即答だった。
シルフィーはスライムの20m程手前に立つと持っていたミニチュアの槍をスライムに向け『神の雷撃』と叫んだ。
強烈な閃光と轟音が響き一瞬にしてスライムは消失してしまった。
「は?」
完全に呆気にとられた俺はさっきまでスライムがいた地点を凝視してしまった。
「なんだこれ・・・・」
幼女の姿の所為でシルフィーのステータスを完全に忘れてしまっていた。
俺のBPは10 その俺でも倒せるスライム 。 シルフィーのBPは170
完全なるオーバーキルだ。 BP170 はんぱねーよ。シルフィーさん はんぱねー。いや半神だからシルフィーさまとお呼びした方がいいのか?
「ご主人様・・・」
「あ、ああ」
「お腹が減りました。」
「はい?」
「お腹が空いて倒れそうです。」
「え?」
どう言う事だ?
スライム1匹倒したらお腹が空いて倒れそう・・・・?
はじめてスキルを使用した反動だろうか?
そういえば以前テレビでサーバントは魔核を摂取して成長すると言っていた気がする。
俺はスライムの魔核を拾い
「食べる?」
とシルフィーに渡してみた。
シルフィーが嬉しそうに魔核を手に取ると魔核は発光し消失してしまった。
シルフィーも満足したようでニコニコだった。
その後1時間程で6匹のスライムを発見し、シルフィーの『神の雷撃』一発で倒していったが、倒すたびに
お腹が空くようで毎回同じように魔核を摂取してしまった。
どうやらはじめてスキルを使用したからお腹が空く訳ではなく、スキルを使用する度にお腹が空くようだ。
この日はこの1時間だけで俺のスライム討伐レコードとなり計7匹のスライムを狩ることに成功したのだった。
だが、しかし手元に残った魔核は0 。即ち本日の探索報酬も0となってしまった。
10億円ロスト事件のショックやシルフィーの予想外の強さに興奮してしまい、おかしなテンションになっていた俺は討伐レコードにも舞い上がってしまい、事の重大さに気がついていなかった。
スライム討伐7 取得した魔核0というリザルトの意味に。