A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (40)
第40話 5階層へ
テンションMAXのまま、ついに俺は5階層に足を踏み入れている。
5階層のモンスターは、今までの生物系と大きく異なる。
「シル、モンスターはいるか?」
「あっちに2体です」
現れたのは
マッドマン サンドマンのグループだった。
今までの生物系とは違い、動いてはいるが生きているのかよくわからない。
それぞれ 『マン 』とついているが、男というわけではなく、人型なだけである。
とりあえず、シルに「鉄壁の乙女」を使用してもらい、様子を見る。
ボウガンをマッドマンに連射してみる。
「グチャ」
「へっ ?」
ボウガンの矢がすり抜けた?
慌てて今度はサンドマンに射出してみる。
「ジャリッ」
「あっ」
やっぱり、矢がすり抜けてしまった。
かなり焦ったが、なんとか気持ちを立て直して、タングステンロッドでマッドマンに殴りかかる。
「グチャッ」
鈍い感覚と共にマッドマンの体をすり抜けてしまった。
こいつらもしかして物理攻撃が効かないのか?
かなりまずい。というかやばい。
もしこれが効かなかったら、俺には攻撃手段がない。
俺は間髪入れずに殺虫剤ブレスを射出した。
が、効果は全く無いようだった。
マッドマンとスライム 正直何が違うのかわからないが、効かないものはしょうがない。
「ルシェ 『破滅の獄炎』を頼む。」
「ああ。」
『グヴオージュオー』
2体とも跡形もなく消失していた。
やばい。
どうする。
俺の攻撃が一切通じない。
考えても正直どうしようもない。
せっかくレベルアップしたし、魔法も覚えた。
5階層は俺が活躍するつもりだった。
だけど、これは無理だ・・・
こうなったら、仕方がない。
攻撃はシルとルシェに任せるしかない。
最近、シールドの出番が少なくなっていたので俺が盾役をやる。
主人の威厳を保つにはそれしかない。
考えた作戦をシルとルシェに伝え、そのまま探索を続けることにした。
「あっちに3体です。」
今度は、ストーンマン、サンドマン、マッドマンの組み合わせだ。
シルの『鉄壁の乙女』で、モンスターを近づけてからルシェが『破滅の獄炎』
サンドマンとマッドマンを消失させることに成功した。
残りはストーンマンだ。
俺が『鉄壁の乙女』の効果が切れると同時に飛び出して、盾で受け止める。
「ガツン ゴリッ」
強烈に硬い塊がぶつかってきた。
ううっ。重い・・・
必死で押し込まれるのを耐えるが、レベルアップしたステータスをもってしてもかなりきつい。
なんとか耐え、避けた瞬間 シルに指示
『神の雷撃』
「ズガガガガーン」
爆音とともにストーンマンは消失した。
それぞれ残された魔石は親指の爪程度の大きさだ。
多分1個1000円以上にはなりそうだ。
しかし、この階層は結構きついな。
一回の戦闘でかなり体力を消費してしまった。
シル、ルシェの攻撃力は全く問題なく通用している。
問題は俺だ。
単体であれば問題なく盾役をこなせそうだ。
問題は俺の体力だ。
いくらレベルアップしたとはいえ全身全霊をかけて、モンスターを受け止めるので、正直滅茶苦茶きつい。
短時間での連戦はかなりきついが、休みながらやっていくしかない。
シルとルシェに魔核を与えながら、息を整えその場に座り込んでしまった。
10分ほど小休憩をとって、次のモンスターを探すことにする。
「ご主人様、向こうに4体いるようです」
「よしっ。数が多いから慎重に行くぞ。1体づつ狩っていくからな。」
「はい」 「ああ 」
音を立てずに、モンスターのところまで辿り着くとそこにいたのは
ブロンズマン 、ブラスマン、サンドマン、ストーンマン の4体だった。
ブロンズマンとブラスマンは今まで出たことのない、金属系のモンスターだ。
突然、普段そこまで勉強していない俺の頭が閃いてしまった。
確か銅とかの金属って導体だから電気を通しやすいよな。
地面に足がついてるからアース効果があるんじゃないか?
シルの『神の雷撃』効くのか?
普段の俺ならあり得ないのだが、なぜかこの時、物理的思考が頭をもたげた。