A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (402)
第400話 君の名は
今日は学校でテストが順番に返って来ているが、思っていた通り今までよりもいい点数が取れている。
まだ初日なのではっきりした事は言えないがこのままいけそうな気がする。
後はいかに春香の点数に近い点数が取れるかで来年のクラスが決まってしまうので祈るしか無い。
放課後になりいつもの様にダンジョンの1階層に潜る事にした。
「昨日はみんな頑張ってくれて無事に終わって良かったよ。今日からまた頼んだぞ」
「次は15階層を踏破ですね」
「そうだ。もう少しで春休みになるから、そうなったらパーティで潜る時間も長くなるから一気に行くぞ」
「マイロード任せてください、頑張ります」
「そういえば昨日のイベントで俺達結構目立ってた見たいで、3人とも二つ名がついたみたいだぞ」
「なんだよそれ」
「昨日参加してた人の一部だと思うけど3人の呼び名を考えたみたいなんだ」
「ちなみにわたしは何て呼ばれてるんだ?」
「ルシェは漆黒の炎姫だそうだ」
「漆黒の炎姫。ふふっ、わかってるじゃないか。炎姫か……ふふっ」
「まあ、姫っぽくはないけど本当に姫だしな。間違いではないよな」
「なっ、失礼な奴だな。他の奴らの方が見る目あるな。海斗に喚び出されたのが間違いだった」
まあ戦闘中は喋る訳でもないので、他の人から見ると姫に見えたのかもしれない。
黙っていれば姫に見えない事も無い。
「ご主人様私も何かあるのですか?」
「ああ、シルは閃光の戦乙女だそうだ。シルにぴったりの名前だな」
「閃光の戦乙女ですか。変な名前を付けられなくてよかったです」
「シルだけじゃ無くてルシールも名前がついててホーリーティンカーベルだって」
「ホーリーティンカーベルですか?ティンカーベルとは何か特別な意味があるのですか?」
「多分小さいから妖精か何かに見えたからだと思う」
「妖精じゃなくて天使ですよ」
「それはそうだけど、悪い意味じゃなくて可愛いって意味で名付けたんだと思う」
「そうなんですね」
確かにルシールは言われなければ妖精に見える。よく見ると虫の羽じゃなくて小さな鳥の翼がついているので天使と言われると納得だがあの乱戦でそこまでしっかり見ていた人はいないだろう。
「マイロード、私はどんな呼び名が付いたのでしょうか?」
「え〜っと何だったかな………」
「マイロード………」
「冗談だよ。ちょっとからかってみただけだって。ベルリアは黒の2刀聖だったかな」
「マイロードと同じ黒が入っているのは光栄なのですが、せいとはどう言うせいなのでしょうか?」
「聖なるのせいだな」
「聖ですか。悪魔の私が聖とはおかしくないでしょうか?」
「言われてみるとおかしいけど、そこまで考えなくていいんじゃないか?上手い人って言う意味だよ」
「マイロード私は人でも無いのですが」
「まあ難しく考えるな。カッコいい名前が付いて良かったな」
「はい、ありがとうございます」
この3人の二つ名は俺が聞いてもカッコいい名前がついているので本人達も気に入った様で、いつも以上にスライム狩りが順調に進んだ。
春休みにしっかり探索が進められる様に今週は魔核集めに没頭する必要があるので今回の名前を付けた人達のネーミングセンスに感謝だ。お陰でサーバント達のモチベーションが上がった様だ。
ただ、なぜ俺は『黒い彗星』だったのか……こればかりはセンスを疑ってしまう。