A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (403)
第401話 テスト結果とダンジョン
金曜日になったので昨日迄に全てのテスト結果が返ってきており、今日は学年順位の記載された用紙が返って来た。
俺の順位は400名中の71番だった。
今回の学年末テストの結果が来年度のクラス替えに大きく影響するはずだが、去年に較べると春香の助けもあり随分と成績が向上したものだ。このまま頑張れば王華学院も十分射程に入ってくるだろう。
むしろ心の中では完全に掌握しているつもりだ。
後は終業式等を迎えるだけなのでダンジョンに集中したい。
「海斗、学年末の順位どうだったんだよ」
「ああ、春香のお陰もあって結構良かったよ」
「俺、なんか山が当たったみたいで想像の遥か上だったよ。俺のピークが来たみたいだ。来年は海斗達とはクラスが変わっちゃうかもな」
「俺も前澤さんと一緒に勉強したお陰で、今までよりも良かったんだ」
「まあ3年で一緒になるかどうかは分からないけど、一緒になったらよろしくな」
「いや〜多分俺だけクラスが違っちゃう気がするな〜。なんか悪いな〜」
隼人が妙に上機嫌なので本当に成績が良かった様だ。俺も結構良かったと思うんだけど、そんなに良かったんだろうか?まさか1桁だったのか?
春香とも少し話したが春香も結構良かったと言っていたので、余計心配になってしまった。
みんなが1組で俺1人だけ2組とかは勘弁して欲しい。
ちょっとブルーになりながらも、放課後には気分を立て直して1階層に潜った。
「海斗〜、もっと他の階層に行かないのか?わたし達この階層だとする事がないんだぞ」
「だったら還っといていいんだぞ。無理して付き合ってくれなくても大丈夫だ」
「還る訳ないだろ!15階層とか行ってバ〜ンといきたいんだよ」
「バ〜ンとやる訳ないだろ。バ〜ンとやると魔核が必要になるんだよ。ルシェが魔核無しでやってくれるならいくらでも行っていいぞ」
「そんなの無理に決まってるだろ!」
「じゃあ無理だ」
「ケチ」
俺だって可能ならば15階層の探索を進めたい気持ちもあるが、先立つものが無いと探索を継続する事が出来無いので魔核を集める為の時間は絶対に必要だ。
春休みに潜るのはおよそ10日間だと思うので、その日数分の魔核をいつもより余分に貯めなければならないので集中してスライム狩りを進める。
ルシェにばかりかまっているとペースダウンしてしまうので、もう放っておくしかない。
今は以前暇つぶしに試していた様な色々なスライムの倒し方は完全に封印して1番効率の良いベルリアとのコンビネーションを多用して倒していく。
「そういえば最近レアスライムと遭遇してないな」
「多分、以前よりもスライムを狩る絶対数が減ったからだと思います」
言われて見ると以前よりも下層に行った事もあり、1階層での活動時間が短くなって来ているのは間違いない。
春香と会ったりしている時間も多少影響していると思われる。
レアスライムからは今まで当たりしかドロップしていないので、どうにかもう1度ピカピカのスライムに出会いたいものだ。
「それじゃあ、余計数をこなしていかないといけないからベルリアしっかり頼むぞ!」
「はいお任せください。刀の錆にしてやります」
「そうだな、頼んだぞ」
今ベルリアの言葉を聞いてふと思ったが、刀の錆にしてやりますとは不思議な言葉だな。もちろん聞いたことはあるフレーズだが、刀の錆にすると結果として刀が錆びると言うことではないのか?
どんどん斬って刀の錆がどんどん増えていくと最終的に刀は錆びて使えなくなるのでは無いだろうか?
言葉としては使うと何となくカッコいい感じがするが、実際には刀の錆にしちゃダメなんじゃないだろうか?
下らない事だが急に気になり始めてしまった。
もしかして俺の思っているのとは別の意味があるのかもしれないので、帰ってから意味を調べてみようかな。