A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (422)
第420話 再戦
赤いレッサー龍を倒してからも3度程戦闘しながら先に進んで今日は引き上げる事になった。
ダンジョン自体は進み易いのだが、結構敵モンスターが強いので、回数を重ねるとそれなりに疲労して来てしまう。
HPが減った訳では無いのでステータスには表れない疲労感だ。
しかも龍が単体で出現する為魔核の取得数が少ないので、今の所身入りが悪い。
「みんな今日は大丈夫だった?明日もこのペースで先に進むつもりだけどいけそうかな」
「まだ始まったばっかりだから。全然大丈夫」
「まだまだ元気なのです」
「問題無いが、龍の倒し方は少し考える必要があるな」
「じゃあ、龍の倒し方は各自宿題で、帰ってしっかり休みましょう」
比較的早めにダンジョンを切り上げる事にしたので、家で十分に休む事が出来た。
今日の晩ごはんはカレーだった。
ダンジョンに潜るとお腹が空くので2人前ぐらい食べてしまった。
対レッサー龍だが今日の戦闘を見る限り首がウィークポイントでは有るようなので、首を集中して狙うのは有効だと思う。
やはり先に動きを止めてからの近接戦闘が1番だろう。本当は槍が使えればもっと簡単に倒せそうな気もするが、無い物は仕方が無いので明日はあいりさんの薙刀での攻撃に期待したい。
一応シルとルシェのスキルも試しておこうと思う。
翌朝7時に目を覚まして準備を済ませてから、ダンジョンに向かった。
「おはよう。よく眠れた?」
「しっかり寝れたわよ」
「思ってたより疲れてたみたいで22時には寝てしまいました」
「私は龍の倒し方を夜に考えていて寝るのが少し遅くなってしまった」
「あいりさんらしいですね。いい方法思いつきましたか?」
「色々想定してみたが、1番有効なのはブレスの際に開ける口の中を目掛けて、至近距離から『アイアンボール』を叩き込むのが良いと思うんだが、どうだろう」
「口の中に『アイアンボール』ですか。間違いなく効きそうですね。ただタイミングは難易度が高そうですけどね」
その後俺達は、レッサー龍の倒し方を話し合いながら15階層を進んで行くが、今日はレッサー龍に会う事なく恐らく1/2に近いと思われる位置まで来る事が出来ていた。
「ご主人様、奥に敵モンスターです。恐らくレッサー龍だと思われます」
「よし、それじゃあみんな打ち合わせ通りでいくよ」
俺達は打ち合わせ通りに展開して敵モンスターに向かって行く。
直ぐに緑色のレッサー龍が現れたので即座に俺とベルリアとあいりさんが向かって行く。
『アースウェイブ』
ヒカリンが魔法を発動してレッサー龍の足止めを図るが、足下を攻める『アースウェイブ』は短足のレッサー龍には劇的効果を発揮した。
前足と後ろ足が離れている為に『アースウェイブ』の効果は前足のみに限定されたが、完全に足は沈み込み、あれほど素早かった動きを完全に封じ込める事に成功している。
「いいぞっ!このまま押し切るぞ。ブレスにだけ注意して!」
足が止まった所をミクとスナッチが攻撃をかける。
ミクは、当初の打ち合わせでは攻撃よりも『幻視の舞』を想定していたが、動きを封じた今ならこのままいけそうだ。
致命傷にはなっていないが、完全に嫌がっている。
俺達が接近しているのを確認してレッサー龍がブレスの体勢に入った瞬間あいりさんが『アイアンボール』を放つ。
高速の鉄球がレッサー龍の口の中を狙うが、龍も咄嗟に口を閉じて首を振り、口の中への直撃は避けてきた。
ただ鉄球は閉じた口の側面に直撃したので、ブレスを完全に阻害する形となった。
その隙にベルリアがレッサー龍の前までたどり着いて剣を振るう。
「やあああ〜『斬鉄撃』」
ベルリアが交戦している後ろから、あいりさんが気合の声と共に薙刀を一閃し、その後ほんの少しの間があってレッサー龍の首がずれて落ちた。
前回苦戦したレッサー龍に対して今回ほぼ完勝だった。
ただ今回俺は何もしていない………
予定では背後から首を狙うつもりだったのだが。