A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (46)
第46話 エリアボス?
低級ポーションはもう無い。
普通に考えると、慎重に来た道を撤退するのが正解だろう。
しかし
「ご主人様、少し先にモンスター3体の反応があります。ちょっと今までと感じが違います。」
シルがこんなことを言うものだから、迷ってしまった。
あと3匹ぐらい大丈夫だろう。ちょっと感じが違うっていうのも気になる。
好奇心に負けて、進んでしまった。
「よし。この3体を倒したら撤退するぞ。最後頑張っていこうか。」
「はい。かしこまりました。」
シルの指示する方向に進んでいくと、なんと扉があった。ここまでで初扉だ。
なんか胸騒ぎはするものの、探索者であれば扉があって、開けないということはありえない。
俺は思い切って、少しずつ開けてみることにした。
クッと力を入れて押してみる。
あれ?
開かない。
今度は引いてみるがやっぱり開かない。
スライドドアのオチもなく開かない。
よく見ると鍵穴がある。どこかで鍵を手に入れないと開かないようだ。もちろん俺は持っていないのでどうしようもない。
「シル。鍵がないから無理っぽい。」
「大丈夫ですご主人様、私にまかせておいてください。」
「え?」
『神の雷撃』
「ズガガガガーン」
「あ!?」
またシルがやってしまった。
壁の時と同じく有無を言わせず、1発かましてしまった。
扉を見ると、跡形もなく消し飛んでしまっている。
結果オーライなのかもしれないが、当初の予定の隙間から覗き見るプランは崩壊してしまった。
全開の入り口を見るとそこには
見た事もない超大型スライムと白熊ぐらいの大きさの鬼が2体そこにいた。
鬼はおそらくオーガと呼ばれるモンスターだと思われるが、なんかうっすらと光っているし知識にあるオーガよりも明らかに大きい。
スライムも見たことがない種類のスライムだったが大きさがおかしい。
下手するとオーガよりも大きい。
なんかどちらもボス感が半端ない。
やばい感じもかなりするが、オーガの方と目がバッチリ合ってしまっている。
今更逃げ出すのは無理だろう。
俺は急いでルシェを召喚する。
「ようやく出番かー?」
「いきなりで悪いが、なんかボスっぽい。」
「え?まあいいけど、なんでそんなのがいるんだよ?」
「まあ、シルがちょっと、な」
「とにかく、シル、ルシェ 入り口に入った瞬間、オーガに先制攻撃かますぞ。」
「はい」「うん」
俺たちは入り口に走って入り
『神の雷撃』 『破滅の獄炎』
を発動した。
爆音と共に土煙が舞い、おさまるといつものように敵が消失して・・・
いなかった。しっかり顕在していた。
「なっ!?」
どういう事だ?2人のスキルが効いてない!?
よく見ると、それぞれ火傷したような痕は見られるので全くのノーダメージではないようだが、致命傷には程遠い。
通常のオーガに2人のスキルを耐えきることができるとは思えない。
考えられるのは、あのうっすらと光った感じ。スキル無効化もしくはスキル耐性アップの魔法か何かがかかっているのではないか?
そうだとすればどうすればいい?
雷撃と炎は、ほぼ無効化されている。
全てのスキルが無効化される可能性は有るが、別のスキルが有効の可能性もある。
急いでシルに指示
「シル『鉄壁の乙女』を頼む」
『鉄壁の乙女』
さすがに『鉄壁の乙女』まで無効化されるとやばいと思ったが、攻撃してきたオーガが、効果範囲を突破してくることはなかった。
この事で少し冷静になれた。
やはり全てのスキルを無効化するわけではない。
ほかのスキルであれば、どれかが通用する可能性があるという事だ。
今までに無い展開に最初は焦ったが、今は不思議な程冷静に考えることができている。
今までの成長を見せる時が来た。
そう感じていた。