A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (481)
第479話 呼Qの力?
余計なやり取りで疲れた体と精神を奮い立たせて昼からの探索に臨む。
一回毎の戦闘に苦労してはいるが、進むペースとしては悪くないと思う。
「次に小鬼が出てきたら、シルかベルリアが対応してくれ。女鬼は俺でも何とかなるから」
「おい!わたしが抜けてるだろ!仲間はずれか!いじめか!」
「いや、どう考えてもルシェも相性悪かっただろ。さっきも1人じゃ仕留められなかったくせに」
「海斗が余計な事をしなかったら1人で余裕だったんだ。ふざけんな」
「はいはい、まあシルとベルリア頼んだぞ〜」
「くっ………」
そもそもいじめって何だよ。いじめな訳ないだろ。17歳の俺が幼女をいじめるって普通に捕まるだろ……
トラップが怖いので、シルと俺が真ん中に立つフォーメーションのまま進んで行く。
「ご主人様、敵モンスター3体です。その先を曲がった所にいます」
「よし、じゃあ打ち合わせ通りで行くぞ」
注意しながら進んでいくと敵の姿を確認する事ができたが、視線の先には小鬼が
3体いた。
小鬼はシルとベルリアに頼むとは言ったが3体とは想定外だ。
「シルとベルリアが1体ずつ、俺とあいりさんで1番左のをやりましょう。ミクと
スナッチは俺の援護を、ヒカリンはベルリアのフォローに回ってくれ」
「お、おい。わたしはどうするんだよ」
「う〜ん、ルシェはとりあえず待機で」
「待機!?」
「うん、それが1番いい気がする」
「まさかとは思うが、わたしの事を馬鹿にしてるのか?」
「いやいや、普通に状況判断しただけ。馬鹿になんかするはずないだろ。被害妄想だって」
「…………」
これ以上ルシェに構っている暇はないので小鬼と交戦に入るが、念の為にバルザードに氷を纏わせて魔氷剣を発動しておく。
最初に動いたのはベルリアだ。
真ん中の小鬼を目掛けて一気に加速するが3体からの狙い撃ちを防ぐ為にヒカリンが援護射撃をする。
「炎雷の呼Q 1の型 ファイア炎雷の舞ボルト 炎鳥」
ヒカリンやっぱりやるのか………
しかもファイアボルトってあんなのでも発動するんだな。
やっぱり魔法ってイマジネーションなんだな。柔軟性があっていいのかもしれない。
固定概念はいけないな。俺のウォーターボールも色々やったしな………
俺も頑張らないといけない。可能性は無限に広がっているのだから。
ヒカリンの呼Qに変に感心してしまったが、今度は俺の番だ。
1番左の小鬼に向かって駆けて行く。
あいりさんも俺の動き出しに合わせて速度を上げてくる。
「幻の呼Q 3の型 幻視の舞 幻蝶乱舞 偽」
今度はミクか。それにしても技の名前は自分で考えたんだろうか?それともアニメの作中に実際に出てくる技なのだろうか?
3人ともやばい感じだが、結構かっこいい名前だな。
しかし呼Qもだが型って何なんだろうか?
確かあいりさんは17ぐらいをあげていた気がするが、まさかとは思うが17個も技の名前があるのか?
どう考えても覚えられそうにないな。
俺は1の型固定でいいや。
いや、その前に俺はアニメを見た事無いのでやらないけど。
気を取り直して左端の小鬼を見ると空に向かって刀を振るっているのが見える。
これは、完全にミクの幻視の舞改め幻の呼Q 3の型 幻視の舞 幻蝶乱舞 偽
が効いている。
名前が長くて憶えられそうに無いが、効いている所を見ると幻の呼Qも一定の効果があるのかもしれない。
検証のしようは無いが、イマジネーションで魔法の効果が上がる可能性も否定出来ないので、好きなアニメの技を思い浮かべる事で魔法やスキルの効果が本当に上がっているのかもしれない。
恐るべし呼Q。侮れない。