A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (499)
第497話 連続アタック終了
「ミク、スナッチ助かったよ」
「スナッチが頑張ってくれたのよ」
「でも予想外だったな。侍みたいなのばっかりかと思ったら今度は鎧姿の騎士みたいなのが出てくるんだから」
「私とヒカリンの攻撃が効かないのはきついわね」
「ヒカリンも次あれが出て来たら直接攻撃より『アースウェイブ』か『アイスサークル』で動きを限定してもらった方がいいと思う」
「分かったのです」
「それと、あいつらは俺1人だと相性が悪いから、あいりさんかベルリアと組んで戦った方がいいと思う。ツーマンセルで前に引き付けてもらって俺が後ろからとどめをさしたほうがいいと思う」
「数が多いときは、数を減らせるまではミク、ヒカリン、スナッチで足止めをお願いする事になると思う」
相手にもよるがさっきの鎧の奴は相性が悪い。
最悪『愚者の一撃』を放てばどうにかは出来ると思うが、まともにやったら消耗が激しすぎる。
そこからは、ルシェにも積極的に攻撃参加をしてもらい順調に進んで行った。
「ヒカリン『アイスサークル』を頼む!」
「ルシェは、右端の奴を獄炎で燃やしてくれ!」
最初はベルリアの影に隠れて攻撃に加わろうとしていたが、残念ながら幼児サイズであるベルリアの影に隠れる事は物理的に難しかったので、必然的に俺はあいりさんとツーマンセルを組む事となった。
毎回あいりさんを前面に出して俺が隠れる形になる事に、若干の心理的抵抗感を覚えたが、結果的にこれがあいりさんのリスクも減らす事になるので、あいりさんとも相談して今の形で進んでいる。
あいりさんが正面から相手に挑むが、薙刀の間合いを必ず保つ様にし、距離感だけは徹底してもらう。
隙があれば仕留めてもらう様に頼んであるが、基本は注意を引く事にウェイトを置いてもらっているので、心持ち遠目から斬り合ってもらっている。
あいりさんが斬りあいに持ち込んだ瞬間に俺は背後から飛び出して相手の後ろに回り込み、注意深く近づいて行きバルザードを一振りして仕留める。
「あいりさん、お疲れ様でした」
「ああ、海斗も手慣れた物だな。忍者化も進んでいるし、いっその事装備ももっと軽装でもいいかもしれ無いな。どうせ黒装束ならマントと鎧をやめて忍者衣装とかどうだ?」
「どうだと言われても、さすがにこの階層で軽装備は怖過ぎますよ。俺には無理ですね。しかも忍者衣装ってどこに売ってるんですか?」
「多分ダンジョンマーケットにはないだろうからネットショッピングとかだろう」
「それって……普通の布製のやつですよね」
「そうなるな」
「耐久性とか防御力はないですよね」
「まあ、そうなるな」
一体この人はこの階層に来てから何を言っているんだろうか?
ダンジョンにコスプレ用の衣装を着てくる探索者がどこにいると言うのだろうか?
布製って、斬られるし、溶けるし、燃えるじゃないか。
完全に却下。検討にも値しない。
あいりさんは少しおかしな様子を時々見せていたが順調にダンジョンを進み春休み最後となる金曜日には16層の半分を超える位置までマッピングを終える事に成功した。
「それじゃあ、今日はこれで引き上げましょう」
「そうね、本当は春休み中に17階層まで行ければ良かったけど、まあ順調ね」
「海斗さん、明日は楽しみですね」
「海斗、私は行けないが健闘を祈っているよ」
「いや、そんな大袈裟な事じゃないですよ。でもミクとヒカリンはわざわざすまないな。明日は宜しく頼むよ」
「まあ、悪い様にはしないから安心してよ。余計な事して、海斗がダンジョンに来れなくなったら私達も困るもの」
「余計な事って………」
とりあえず春休みダンジョン攻略は15階層と16階層も半分以上進んだので順調だったと言えるだろう。
明日は、春香とパーティメンバーの顔合わせだ。
春香とメンバーの2人も相性は良さそうだから特に問題は起こらないだろう。