A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (505)
第503話 16階層攻略
この5日間は充実したダンジョンライフを過ごす事が出来た。
目的の魔核も十二分に集めることが出来たので、今日の16階層の攻略に集中して臨める。
ダンジョンの入り口前で待ち合わせていたが、どうやら俺が1番最後だった様だ。
「それじゃあ、今日も頑張って行こうか」
「そうね。それじゃあまずその入り口前でポーズとってみて」
「ポーズ?」
「そう、ポーズ。春香に送る写真だから格好良くね」
「本当に送るのか……」
「だって約束したの聞いてたでしょ」
「まあ、いいけど」
どうやら先週約束した事を早速実行に移す様でスマホで写真を撮られてしまった。
別に写真ぐらいは構わないけど、一体俺の写真を受け取って春香はどうするつもりなんだ?
まさか変なSNSとかに載せたりはないよな。
こればっかりはみんなの良心を信じるしかないと思いながらピースサインをしてしまった。
入り口には他の探索者もいたので、ルーキーみたいで恥ずかしかったが、よく考えてみるとパーティを組むまでずっとソロだったせいで、ダンジョンで撮った写真が1枚も無かったので、さっきの写真は俺にも送ってもらおう。
「海斗もミクも今年は受験生だな。王華学院受けるんだろう」
「もちろんですよ。俺は絶対受かります。来年もよろしくお願いします。先輩」
「海斗に先輩と呼ばれると変な感じだな。それにしても絶対に受かるって大丈夫なのか?」
「はい、春香が受かる予定なので俺も必ず受かって見せます」
「ああ、そうか。全く根拠は無いんだな。全国模試の志望校判定とかはどうなんだ?」
「1番最近受けたのでC判定でした」
「Cなら落ちる可能性もあるんじゃないか?」
「大丈夫です。今がCなだけなので受験までにはA判定いやS判定が出るはずです」
「海斗、S判定って失敗のSじゃないの?」
「ミク、不吉な事を言うな。言葉にすると現実になったりするんだぞ。そう言うミクはどうなんだ?」
「私?私はもちろんA判定だけど」
「くっ………聞いた俺がバカだった」
「海斗さん、春香さんも受かりそうなんですか?」
「確か春香はB判定だったと思うけど、この1年で2人でA判定をとってみせるよ」
「まあ、今の時期にB判定が出てれば、しっかり1年頑張れば問題無いだろう。Cは………まあ頑張れ」
みんな俺に対しては非常に失礼な態度だがミクがA判定だったとは驚いた。
見かけによらず頭が良かったらしい。
てっきり俺と同レベルだと思い込んでいた。
16階層まで『ゲートキーパー』で移動してからマップを見ながら進んで行く。
ほぼ先週と同じ種類の敵が出現して来たのを順調に倒して進むが、1時間30分ほどで先週のポイントまで辿り着くことが出来た。
戦闘がスムーズに進んだお陰だろう。
「もう半分は切ってるのよね」
「ああ、それは間違いない」
「じゃあ順調にいけば来週末には17階層に行けそうじゃない?」
「多分そうなると思うけど、この先の敵次第だな」
実際にここからの敵には先週も苦戦させられたので、気を抜く事は出来ない。
「ご主人様、早速ですが敵が3体待ち構えています」
「分かった。じゃあシルとベルリアとあいりさんが当たって下さい。俺はあいりさんのすぐ後ろにつきます」
敵が現れたが、やはり先週苦戦した西洋鎧姿の鬼が3体だ。
ヒカリンは『アースウェイブ』を放ち、鬼の機動力を奪って行く。
やはり重い鎧を纏った鬼には『アースウェイブ』が効果的だった様で、2体を封じる事に成功した。
自ずと封じる事に失敗した鬼をシルが担当する事になり、そのまま4人で突っ込んで行った。