A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (52)
第52話 パワーレベリング?
俺は固まっている真司と隼人に向かって
「そんなに緊張しなくて大丈夫だって。俺がついてるから安心してくれよ。伊達に毎日潜ってるわけじゃないからな。俺も最初はそんな感じだったからわかるけど、慣れだから。次も俺が足止めするから頼むぞ。」
「「ああ、わかった」」
以前の俺ならどの口が言うんだというセリフだが、下層域での戦闘を積んだ今の俺は少し余裕がある。経験者としてできる限りサポートに気を配っていきたい。
それから俺たちは次のゴブリンを探して歩いている。
途中、真司と隼人がコソコソなにか密談している。
「おい隼人。さっきはびびったな。俺全然動けなかったよ。ゴブリンってあんなに怖いんだな。やっぱりモンスターだな」
「ああ俺もだよ。足がすくんで全然動かなくなった。もうちょっとでおしっこちびりそうだったよ。だけど、なんかすごかったな。」
「ああ、あれって本当に海斗だったか?双子の兄とかじゃないよな。毎日潜ってたのは知ってるけど、なんかプロの探索者みたいになってるな。」
「本当にLV15だったんだな。あんなの見たら女の子が惚れても不思議はないな。あんな、ぴっちりくんなのに、なんかカッコ良く見えちゃったよ。吊り橋効果かな?やべーな。」
「葛城さんもこれ見たのかな?でもダンジョン潜ったって聞いた事ないしな。」
「いや、それはないと思うが、あれは謎だな。学校7不思議の一つだな。」
「おい、なにコソコソやってんだよ。ゴブリンいたぞ。今度は頼むぞ。」
俺は再度ゴブリンに近づいて、ボウガンを射出してゴブリンの動きを封じた。
「うりゃ〜!」 「といや〜!」
「ガンッ」 「ゴスッ」
「うぉ、堅ってー、おお〜」「手がいて〜、もう一発。おりゃー。」
「ガンッ、ガスッ」 「バカッ、ゴスッ」
今度はちょっと間抜けな掛け声と共に、背後から2人で連撃を加えている。
「おおー。やった。すげーよ」 「仕留めたぞー。うぉー。バーニング!」
訳のわからない叫び声を伴って、ゴブリンが消失した。
「海斗、俺たち遂にやったぜ。サンキューな。 おおっレベルが、レベルが上がってる。レベル2になってる!?すげーよ、マジですげーよ。うぉー!」
「あっ、俺も上がってる。やっったぜ。初めて上がった。レベルって上がるんだな。うぉー、マキシマム〜。」
「一体なんなんだ。その変な雄叫びは?まあでもよかったな。今度はゴブリンも倒せたし、レベルも上がったし。俺もサポートした甲斐があったよ。じゃあそろそろ帰るか。」
「は?何いってるんだよ。帰るわけ無いだろ。これからだよこれから。なあ真司」
「当たり前だろ。これで帰れるわけないだろ。今日はとことん付き合ってもらうぞ。海斗先生」
「え〜。俺休みの予定だったんだけど・・・ まあいいか。今日だけだぞ今日だけ。」
そのままなし崩し的にゴブリン狩りを続けることとなった。
「おっ、あっちにいるぞ。それじゃもう一回行くぞ!」
俺たちは、再度ゴブリン戦に臨んだ。
先程と同じように、俺がゴブリンに近づいて行って、ボウガンを射出して足止め。
その瞬間に
「うぉりゃー。死ね、死にやがれ、どりゃー!!」 「ヒャッホー、オリャー、ファイヤー!!」
「ズガッ、ドガッ、グシャ」 「バキッ、バガッ、ガンッ」
「やったぜ、楽勝、ヒャッホー!」 「滾るぜ、ハイパー、ウォー!」
え?
なんだこれ?
さっきまでと違う・・・
全くテンションが違う・・・
二人に一体何が起こったんだ・・・
「うぉー。レベルが3になったぜ。海斗、次行くぞ次。」
「俺もレベルアップしたぜ。もう俺は誰にも止められないぜ、ヘイ、カイト、カモン」
誰だこいつら!?
俺はそのまま連れ回されて、結局あと2回ゴブリンと戦闘をさせられる羽目になった。
「今日は、もう終わりな。もう満足しただろ、また明日学校でな」
「ああ、今日はありがとうな、それで明日は何時からにする?」
「え?今日だけっていっただろ」
「何いってるんだよ。今日だけなわけないだろ、寝ぼけてるのか?」
「明日も放課後直行な、頼んだぞ」
俺の意思は完全に無視をされ、明日もダンジョンに3人で潜ることが確定してしまった。
俺は休み中なんだよー。