A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (527)
第525話 しぼり取られる
祈りの神撃……召喚主のMPを消費して真なる神の一撃を放つ事が出来る
これは……
どう判断したらいいだろうか。
召喚主とは俺の事だよな。
俺のMPを消費してシルが強力な一撃を放つ事が出来るスキルという事だろう。
俺のMPを消費して発動するスキル。
俺はこれによく似た特性のスキルを知っている。
ルシェの『暴食の美姫』は俺のHPを消費して発動するが、シルの『祈りの神撃』は俺のMPを消費する。
どちらも俺を触媒として発動されるスキル。
言い方を変えると俺を生贄として発動するスキル。HPだけじゃなくMPまでもか……
「は〜……」
「ご主人様、どうかなさいましたか?」
「いや、何でも無いよ。まあ、怪我なく攻略出来たし、みんなレベルアップ出来て良かったよ」
身体も大分動くようになって来たので早速魔核とドロップアイテムを回収して回る。
他のメンバーも動き始めているので、それぞれレベルアップして回復したのだと思う。
まず魔核は全部で95個あった。
それとは別にドロップアイテムがいくつかあった。
まず、刀が三本と戦斧が一本。恐らく四本とも魔剣の可能性が高いと思う。
そしてマジックオーブが一つとスキルジュエルが一つ。
幸いにも今回赤い魔核は無かったものの、一番期待していた霊薬が無い……
正直、ここで手に入るんじゃないかとかなり期待していたので、それらしきものが無いか、部屋の隅々まで探したがどこにも見当たらなかった。
魔核だがミノタウロスのものよりは気持ち少し小さい気もするので大体1つ一万八千円ぐらいでは無いかと思うのでおよそ百七十万円ぐらい。
そして残るドロップだが
「あの〜申し訳ないんだけどこの刀三本もらえないかな。ベルリアの剣が二本とも折れてしまったのと予備に一本持っておきたいんだけど」
「もちろん、それでいいと思うわ」
「そうですね。それ以外の選択肢はないと思うのです」
「ベルリアの戦いぶりがなければ今回は切り抜けられなかっただろうから、刀二本は妥当だろう」
「ああ……皆様、この私に魔剣をそれも二本も頂けると言うのですか?マイロードこの刀が折れて無くなるまで死ぬ気で働きます」
「ああ、そうだな。期待してるよ。それで戦斧はマジック腹巻に入りそうにないから俺は持てないんだけど誰かいる人?」
恐らくこの戦斧も魔剣の類なのでそれなりの物だと思うが誰も手をあげないので売却決定だ。もしかしたら戦斧なので不人気かもしれないが、それでも売れば500万円は下らないだろうから金額的には今回一番の収穫かもしれない。
残るはマジックオーブとスキルジュエルだが、高額のレアアイテムではあるが、これは使った方が良い。
今後の事を考えても必須だろう。
「マジックオーブとスキルジュエルはそれぞれ使った方がいいと思うんですけど、どうしましょうか」
個数が二個なのも悩ましいが誰が使うかも悩ましい。
マジックオーブだが色は無色透明に近いが透かしてみると角度により黄色味を帯びている気もするが、風系だろうか?
ヒカリンかミクだ使うのが良いと思うがどちらだろうか。
「できれば私がもらっても良いかしら。どうしても私が後衛だと火力不足なのよね。スピットファイアはあるけど、今回はベルリアを起こすぐらいでほとんど役に立てなかったし」
「はい良いと思うのです」
「そうだな、ミクがいいだろう」
と言う事でマジックオーブはミクが使う事になった。
そしてスキルジュエルだがヒカリンとあいりさんで考えると前衛のあいりさんの優先度が高いのであいりさんが使う事となった。