A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (557)
第555話 共闘?
恐怖の女の人の名前は凛子さんというらしい。
パーティリーダーは『バーニングエッジ』を使用していた冬彦さんらしいが力関係でいうと凛子さんが一番強いらしい。
既に今日で三日間ダンジョンで寝泊まりしているプロ探索者だそうだ。
やっぱりこのぐらいの階層になると日帰りは難しいようだが、三日間も潜りっぱなしとは凄い。
「それにしてもよ〜。シルちゃんにルシェちゃんか〜。ヤベ〜な。可愛すぎるだろ〜」
「剛さ〜ん、へんな事しちゃダメですよ〜」
「いや、俺そういう趣味は全くなかったんだけど、二人を前にすると目覚めそうで怖えよ」
「おい! 調子に乗ると燃やして消し炭にするぞ!」
「あ〜、マジでやべ〜。Sロリやべ〜」
「それはそうと、剛さんの戦斧なんですけど」
「おお、これか! いいだろ〜。先週奮発して買ったんだ。これでドラゴンも怖くね〜よ」
「良さそうですけど、失礼じゃなければ金額を聞いてもいいですか?」
「おお、ちょっと値引きしてもらったが千百万だったな。お買い得だったぜ。たまたま店で探索者からの買取品を仕入れたらしくてな安く買う事が出来たぜ」
おっさん数日で五百万も儲けたのか。やっぱり、あのおっさん見かけによらず、かなりやり手らしい。
「おい、レーダーに反応ありだ。どうする?」
「数はわかりますか?」
「四体だ」
「じゃあ二体ずつで分けませんか? 即席で連携は難しいと思うのでそれぞれがいつも通り戦いましょう」
「ああ、それがいいかな」
一応シルにはモンスターの感知はレーダーを持っている冬彦さん達のパーティに任せるように言っておいた。
俺達が全員で進んでいくと、そこにはやはりドラゴンがいたが、今までのとは見た目が違う。
「俺達あれは初めてなんですけど、皆さんはどうですか?」
「あれは水竜だ。ウォーターブレスと表皮を水のベールで覆っているから物理と水と火が効きにくい」
「ありがとうございます。助かりました」
水竜か……。ルシェは難しいかも知れないが、俺達には雷使いが二人いるので、相性は良さそうだ。
それにしても、情報を教えてもらえるだけでも全然違うな。
「それじゃあ一体はシルが雷撃でしとめてくれ。もう一体はミクがいってみる?」
「そうね。せっかくだからやってみるわね」
シルはすぐさま臨戦態勢に入り雷撃を放った。
「水竜ですね。水は雷を通しやすいものです。ご主人様の前から消えなさい『神の雷撃』」
雷が落ちた瞬間、当然といえば当然のように一瞬で消し炭となり水竜の一体が消えて無くなった。
まあ水でなくともシルの雷撃を耐えるのは至難の技だと思うが、特に水では相手になるはずも無い。
「さすがです。シル様。私も頑張ります『ライトニングスピア』」
ミクがスキルを発動すると光の槍が水竜に突き刺さり、その瞬間、水竜の全身が
帯電したように煌き、そのまま水竜が硬直したように倒れたが、まだ消滅はしていない。
恐らく全身に電気ショックを与えたような状態となり、感電して倒れたのだろう。
「ベルリア!」
「マイロードお任せください」
ベルリアが倒れた水竜に向けて駆け出し、間合いに入った瞬間二刀を振るい首を撥ねた。
「ミクの『ライトニングスピア』もやっぱり水系には相性抜群みたいだな」
「そうね、消滅はさせられなかったけど、ドラゴンを一撃で行動不能に出来たのはすごいわよね」
「ああ、十分凄いと思う」
以前のミクの火力からすると考えられないような威力だ。
こうしてシルに続いて、ミクもあっという間に水竜を倒してしまったが、隣で戦っている冬彦さん達のパーティは丁度交戦状態に入ったばかりだった。