A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (584)
第582話 旨味成分はアミノ酸
次に出てきたのはパスタとピザ。
パスタは春キャベツと自家製ベーコンのクリームパスタ。
ピザはマルゲリータピザだが、パスタもピザもそれぞれ一皿を二人で取り分けて食べるようになっている。
「それじゃあ、お皿かしてね」
そう言って春香がピザとパスタを取り分けてくれる。
ああ……なんかこういうのいいな〜。まるで恋人のようだ。春香と結婚したら毎日こんな感じに取り分けてくれたりするんだろうな。
妄想に過ぎないが憧れる……
「このパスタ美味しいね」
「ああ、そうだね。特にベーコンがおいしいな」
もちろんベーコンも本当においしいのだが、明らかに旨味が増している。
春香とご飯を食べるだけで劇的に旨味成分であるアミノ酸が増している。
仮にベーコンがウィンナーだったとしても同様に旨味成分が激増しておいしかったに違いない。
「このピザも生地がモチモチだよ」
「うん、たしかに。やっぱり冷凍ピザとは違うな〜」
「冷凍ピザもおいしいけど、やっぱりお店のピザはおいしいね」
おそらく、今の俺はこの場に冷凍ピザを出されたとしても、間違いなくおいしいと思う自信がある。
春香と毎日一緒にご飯を食べたら間違いなく太る。
今までになく太ってしまう。
幸せ太りという言葉を聞いた事があるが、間違いなくそれになる自信がある。
幸せ太りって羨ましい。好きな人と毎日一緒にご飯を食べることができるなんて、なんて幸せな人達なんだろう。
きっと春香がレトルトカレーを作ってくれたとしても、一流ホテルのカレーを凌駕するに違いない。
ピザとパスタを食べ終えると、メイン料理が運ばれてきた。
今日のメイン料理はチキンのクリーム煮。
食べてみると鶏肉もホロホロな感じで、柔らかくておいしい。
「チキンのクリーム煮もすごくおいしいね。やっぱり家で作るのとは違うね」
「春香、家でチキンのクリーム煮作ったりするの?」
「うん、たまにだけど作ることあるよ。こんなにおいしくは無理だけどね」
「いや、春香の作るクリーム煮か〜。想像しただけで美味しそうだな〜」
「よかったら今度誕生日に作ろうか?」
「え? いいの? 是非お願いします」
「うん、じゃあ今度海斗が家に来る時に作るね」
春香が作ったチキンのクリーム煮が食べられるのか。
お店のクリームにでもこれだけおいしいんだから春香の作ったクリーム煮は、想像を超えて絶品の味なのは間違いない。
いずれにしても今日クリーム煮が出てきてくれて感謝だな。
そのおかげで今度春香の料理したチキンのクリーム煮を食べることができるようになったので、本当に感謝だ。
「それにしても結構お腹いっぱいになってきたな〜。思ったよりピザとパスタがお腹に溜まってきたよ」
「後はデザートで終了だから」
「頑張って食べるよ」
思いの他、一品ずつのボリュームが結構あり、春香よりもピザとパスタを多めに食べた俺は既に腹八分目は過ぎてしまっている。
最後に運ばれてきたデザートは濃厚ベイクドチーズケーキだったが、これが予想以上においしい。
濃厚な味わいがあって、すぐに食べ切ってしまった。
「海斗、このチーズケーキ凄いおいしいね。やっぱりプロの味だよ。満足〜」
「春香が満足してくれたならよかったよ。予約した甲斐があったな」
「うん、このお店は当たりだよ。全部の料理がおいしいもん」
「たしかに。全部おいしかった。お腹もいっぱいだし」
春香が喜んでくれたみたいなので、このアモーレを予約してよかったな。
本当は、ここしか空いてなかったんだけど、残り物には福来たるだな。
料理が美味しかったので、この流れに乗ってお店の中でプレゼントを渡す事にした。