A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (62)
第62話 ギルドイベントの案内
2日後学校に行くと
「海斗くん。一昨日はどうだったのかな?映画は見たのかな。どうだったか教えて欲しいなー」
隼人と真司がニヤニヤしながら聞いてきた。
「ああ、もちろん行ったよ。最高に楽しかったけどそれがどうかしたか?」
「一体なんの映画観たんだよ。アクション物か?」
「いや、そらいろ青葉と夏の雨 って言う映画を見た。」
「え?マジで言ってるのか?あれってベストセラーの青春恋愛映画だよな。」
「ああそう、それそれ。最後泣きそうになったけど凄い良かったよ。」
「・・・・・映画は海斗が決めたのか?」
「いや、葛城さんが観たいって言うから、それにしたんだけどな。」
「・・・・・デートですな」 「デートですね」
「いやデートじゃねーよ。お前らが頼んだから、付き合いで来てくれただけだって。」
「ああそう。まあ海斗だからな」「ああ、そうね海斗くんバカだからね」
「ふざけるな。バカじゃねーよ。」
「次の約束はどうなった?」
「いや、社交辞令でまた映画誘ってくれって言われたけど、流石に俺もそこまで厚かましくはできないからな。次なんかないぞ」
「やっぱりバカだ。」「真性のバカですな。」
2人の的外れな会話にちょっと疲れた。もう放っておこう。
放課後ギルドに行って魔核を一部売却していると、日番谷さんに声をかけられた。
「高木様、もしよろしければこちらに参加してみませんか?」
見せられたのは、集団での7階層探索イベントの告知パンフレットだった。参加資格はアイアンランク以上。
なんと期日は今週末スタートで1週間開催されているようだ。
「これってなんですか?」
「アイアンランク以上の探索者の方を対象に親睦を深めてもらったり、ソロで突破が難しい人のためのサポートイベントのようなものです。結構若い探索者の方が参加されるので、急なのですがよろしければいかがでしょうか」
自分と同程度以上の探索者と潜った事がないし、他の探索者のやり方も興味がある。もしかしたら仲間も増えるかもしれない。
「是非お願いします。」
「それではこちらが案内要項になります。当日までには目を通しておいてください。」
「わかりました。土曜日にまたお願いします。」
要項を見ると募集人数は20名 事前に提出する能力評価を元に3人から5人で日替わりパーティを組み7階層にアタックして、攻略を目指すというものだ。
この前、真司と隼人とパーティを組んだが、本当の意味では初となる、他の探索者とのパーティ戦。正直楽しみでしょうがない。
週末までまだ時間があるので、それまでは1階層でスライムを狩って魔核を貯めておくことにした。
手慣れたもので、1時間あたり10個以上のペースをキープできている。一日3時間で35個程度を確保できている。既に100個以上を確保できているので、少し魔剣バルザードの性能を試す事にした。
射程が異常に短いので、使いにくく今まで碌に使用していないが、未知の7階層に臨むにあたって、手持ちの武器は最大限活用出来る体制を整えておきたい。
まず1回に吸収できる魔核は3個、ここまでは検証済みだ。
次に魔核3個分で何回分の攻撃が強化されるかだ。
スライム相手に殺虫剤ではなく 魔剣バルザードを使用してみる。
「バシュッ」
小さいとはいえ流石は魔剣。スライムが斬撃と共に一瞬で消失した。
そのあともスライムに連続使用して何度効果か発揮されるか検証してみたが、6回目で普通のナイフに戻ってしまっていた。どうやら3個の魔核で5回使用できるようだ。まあまあ悪くない。
次に、効果を検証。これはスライムではよくわからなかったので2階層のゴブリンを相手に検証してみた。
まず剣の長さが変化しないかと、魔法の要領でイメージしたり色々やってみたが、一切変化なしだった。
その次に試したのが、よくアニメや漫画で見る飛ぶ斬撃。これもイメージしたり、力を込めたりしてみたがダメだった。
斬撃がダメならと魔剣自体を投げつけてみたが、全く上手く刺さらなかったが、どうやら投げても魔剣の威力は保たれているようだったので、今度投げナイフの練習をしてもいいかな。
最後に斬撃の威力だが、こちらは結構成果があった。
魔剣をモンスターに刺した瞬間に切るイメージを持って振るうと、ズバッと切断することができ、炸裂するイメージを持って使用すると、刺した周囲が爆散することがわかった。
接触した状態であれば、斬撃の種類と威力はイメージに左右されて変化するようだ。
訓練次第で凄い威力を引き出せる可能性がある。
問題は、この超近接の魔剣を7階層のモンスターに刺す事ができるかどうかだ。
今回のイベントで出番があるかはわからないが、なかなか骨が折れるかもしれない。