A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (63)
第63話 ギルドイベント
遂に土曜日となり、俺はギルドに集合している。
既に参加者全員が集まって来ている。
参加者は20名で男性12名の女性8名だ。年齢も数人だが結構上の人がいるようだったが、概ね10代から20代ぐらいのように見える。
「それでは今から7階層攻略イベントを開始します。土日は終日行います。月曜日からは17時から19時までの2時間だけとなります。パーティの組み合わせは、事前にギルドの方で決めさせていただいております。土日は、お昼休憩を6階層で挟みますので1日1パターン 、平日は5日間共同じメンバーのみとなりますので、全部で3パターンの組み合わせとなります。それぞれ協力して、レベルアップと攻略を目指してください。それではこれがメンバー表となりますので確認次第開始してください。」
ギルド職員からアナウンスがあり、メンバー表を確認する。
今日のメンバーは『後藤、高木、伊藤、杉本』となっていた。4人パーティらしい。
4人以上で潜るのが初めてなので、すごく楽しみだ。
メンバーで集まってみると、おじさん2人に俺ともう一人同い年ぐらいの男性のパーティだった。
なぜ8人も女性がいて1人もメンバーにいないんだ。しかも2人はおじさん・・・
作為を感じる。
まあ、ダンジョン攻略が目的だからいいんだけど。
4人で集まって、自己紹介を済ませてパーティの戦略を練る。
おじさんの1人後藤さんが取りまとめをしたが、どうやらメンバー全員が前衛らしい。
俺の場合厳密には中衛な気もするが似たようなもんだろう。
前衛4人なので難しい事は省いて基本2人1組で各個撃破することと決まった。
早速4人で6階層に転移して、そのまま7階層に潜った。
「ところで高木くん、君のメイン武器はなんだい?」
組むことが決まった伊藤さんが聞いてきた。
「今使ってるのは魔核銃ですよ。近接だとたまにタングステンロッドを使う事もあります。結構盾役やる事も多いので、このシールドも使います」
「魔核銃か。高木くん7階層のモンスターの事知ってる?」
「いや、潜る予定が無かったところを急に誘われたんで、よく調べてません。」
「あー。それでか。多分魔核銃では厳しいと思う。」
普段なら未知の階層の情報は極力集めてから臨んでいたが、今回は突然誘われたのと、イベントでパーティを組める事に安心してしまい、完全に情報収集を怠っていた。
伊藤さんと会話をしている最中に7階層のモンスターが出現した。
出現したのはストーンゴーレム2体だった。
後藤さんが、戦闘開始を合図する。
「高木くん、私が倒すから、サポート頼む。」
伊藤さんから指示が飛んでくる。
6階層であれば魔核銃ですぐにかたがついていたが、7階層は、やってみないとわからない。
とにかくストーンゴーレムに向かって魔核銃を連射
「カァーン」「キィーン」
「マジか」
パレットはストーンゴーレムに命中して着弾したものの、弾かれてしまった。厳密に言うと少しだけ弾痕が残っているので、わずかばかりのダメージは与えたかもしれないが、ほぼ無傷だ。
気にはなるようでこちらを伺っている。
伊藤さんは横から攻撃しようとしているので、今度はタングステンロッドに持ち替え、正面から思いっきりぶっ叩いた。
「グゥワキーン!」
「痛ってー」
今度は強烈な衝撃と共に完全に手が痺れてしまった。
やばい。攻撃が通じない。5階層とはまた違う形で俺とは相性が最悪だ。シルとルシェがいればどうにでもなるが、ここでは喚び出すつもりはない。
あと俺にできる事は、シールドと魔核銃を併用しての牽制しかない。
止まってしまう訳にはいかないので、即座に切り替えて魔核銃を、頭に向かって連射。
注意をこちらに向ける。
伊藤さんの武器は大型のハンマーだ。ストーンゴーレムの注意がこちらに向いている間に振りかぶってストーンゴーレムの頭をぶっ叩いて、粉砕した。
隣では、後藤さんと杉本くんが手分けして応戦しており、程なく撃破していた。
「高木くん。誘導助かったよ。お陰でノーダメージで倒すことができた。」
「ああ。はい、良かったです。ちょっと僕では火力不足のようなので今日は、妨害と、おとりをさせてもらいます。」
「わかったよ。よろしく頼む。」
口ではああ言ったが、悔しい。確かに妨害して有利には戦えていたが、前衛といっておきながら俺だけ攻撃面では戦力外。寄生とまでは言わないが悔しい。こんなはずじゃなかった。
その後もお昼休憩までに2回交戦して、同じようなパターンでモンスターを撃破した。
6階層ではレベルアップしなかったが、7階層のモンスターを倒すことで俺はレベル16になっていた。
こんなに嬉しくないレベルアップは初めてだったが、どうしても、このイベントをこのまま終わるわけにはいかない。そう考えながら昼休憩を迎えた。