A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (658)
第651話 4枚目のカード
「頼む〜! 今回は絶対に外せないんだ! とにかく頼む! 頼んだぞ!」
俺は手に取ったサーバントカードを裏返す。
これでレアなサーバントなら霊薬が買える。
間違ってもゴブリンとかは絶対にあってはならない。
心臓の鼓動が速くなる。
どうだ!
思い切って見たカードにはトップアイドルなんか全く及びもつかない、スーパーアイドルを遥かに凌ぐ、超絶可愛い女性が。
ふわりとしたピンク色の髪が特徴的だがこのサーバントは……
俺はサーバントカードに記されているステータスを確認する。
種別 フェアリークイーン
NAME ティターニア
Lv1
HP 65
MP 73
BP 66
スキル ウィンガル キュアリアル ユグドラシル
装備 妖精衣 ティンカート
「お? おおおおおおおおおおおおぉぉ〜!? これでた? 出たよな? 多分出た?」
カードに描かれたサーバントの容姿は、どこからどう見てもゴブリンには見えない。その容姿はどこからどう見ても美少女! いやレアカードのそれだ。
俺は落ち着いて手の中のサーバントカードのステータスを確認する。
種族がフェアリークイーンと記されているので、このカードは妖精。しかも妖精の女王。
ステータスを見ると各数値は初期のベルリアと比べて少し劣るようだがLV1としては十分に高い。
特筆する点はスキルが三つあるようだ。
シルやルシェでもLV1の時にはスキルは二つしかなかったのにこのサーバントは三つある。
ただベルリアと同様に武器の表示が無いので、何か訳ありなのかそれとも後方支援専門なのかもしれない。
だが、それを鑑みてもレアカードに間違いない。
俺の勝手な値つけだと一億は堅い。もしかするとこの風貌ならエロ探索者が入札してくれれば、もっと出す人もいるかもしれない。
きっとこれならイケる!
「やったああああああ〜!」
俺はやった。遂にやった。
俺のテンションは一気にMAXになり叫び声を上げてしまったがったが、その瞬間目の前が真っ暗になり意識が遠のいた。
あ…………
「………‥っ」
「…………と」
なんだ?
「…………様」
「…………ろっ」
誰かが呼んでいる。
「……人様」
「……きろっ!」
俺は……
確か意識を……
そうだレアなサーバントカード。
俺の意識が一気に覚醒する。
「サーバントカード!」
「ああっ、よかった。ご主人様気がつかれましたね」
「ようやく起きたか。テンション上がりすぎで倒れるなんてありえないだろ」
「ああ……それよりもサーバントカードは?」
「大丈夫です。ご主人様の手の中に」
シルに言われて右手を見ると先程のサーバントカードがしっかりと握られていた。
「ご主人様、以前同様にポーションを使用させていただきました」
「ああ、助かったよ。HPがほとんど無かったのにテンションが上がって大声を出したのが良くなかったんだな」
「だから、わたしは先にポーションを飲むように言ったんだよ」
ん? 確か先に回復を勧めてきたのはルシェではなくシルだったはずだ。
いずれにしても俺は一階層での目的を果たしたので、すぐに一階層の入り口へと向かった。