A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (683)
第675話 疑惑?
翌日、朝から待ち合わせて野村さんとダンジョンへと潜る。
「それじゃあ、今日も二階層へ向かってゴブリンを狩ろう。ただ二階層ではたまにスケルトンが出る事があるから注意していこう」
「海斗先輩、スケルトンもこのボウガンで倒せるんですか〜?」
「いや、スケルトンは頭を破壊しないといけないからボウガンだと厳しいと思う。ハンマーでもいけない事はないと思うけど、これを貸してあげるよ」
そう言って俺はもう使う事の無くなったタングステンロッドを渡した。
「重っ! これ、見た目より重くないですか? 鉄製じゃないんですか?」
「ああ、それはタングステンで出来た棒だから重いけどかなり強力だよ。スケルトンの骨も問題なく砕ける。おすすめの戦い方は、スケルトンに近づいて向こう脛にフルスイングだ。当たればまず骨が砕けて倒れるから、倒れたら頭を砕くんだ」
「痛そうですね……」
俺は野村さんにスケルトン対策を伝授してダンジョンへと潜った。
一階層でスライムを倒しながら二階層へと向かい、二時間弱で二階層へと到達する事が出来た。
「それじゃあ行きますね」
野村さんが少し緊張しながら二階層への階段を降りて行く。
「そういえば先輩、先輩のサーバント達ってどうしたんですか? まだ一度も見てないんですけど」
あぁ……そういえば野村さんにはダンジョンで目撃されていたんだった。当然シル達の姿も見られてるよな。
まあ何日か一緒に潜ってみて悪い子ではなさそうだし、大丈夫だろう。
「そうだな。いい機会だから紹介しておくよ」
そう言って俺はサーバントカードを使いサーバント達を喚び出した。
「あれ? 前見た時は三体だったような」
「ああ、この前増えたんだ」
「先輩サーバントってそんな簡単に増えるんですか?」
「いや、簡単ではないんだけど」
「おい、海斗この失礼なのは誰だ? まさか春香じゃないよな」
「春香じゃないよ。俺の後輩の野村さんだ。二階層でやっていけるようにサポートしてるんだ。みんなも、何かあったら手助けしてくれ」
「ふ〜ん、後輩ね〜。お前の周りは女ばっかりだな。信じられないけどモテモテか?」
俺はルシェをスルーして野村さんに紹介を始める。
「野村さん、この口が悪いのはルシェ。こっちのかわいい方がシル。あっちがベルリアでその隣がティターニア」
「あ、わたし野村です。よろしくお願いします。皆さん可愛すぎませんか? アイドルなんか目じゃないですよ。海斗先輩ってもしかして……そっちも……」
「はっきり言っておくぞ! 俺はノーマルだからな。全くもってそのけは無いからな。絶対に勘違いするなよ! 絶対だからな!」
「そんなに必死で否定されると言葉の裏を読みたくなりますね」
「おい!」
「冗談ですよ。わかってますよ。葛城先輩もいますし」
「春香は関係ないけどな」
「もしかして両方いける感じですか?」
「もう帰っていいか? ここからは一人で行ってくれるか? がんばれよ」
「先輩、冗談です。ごめんなさい。見捨てないでください。今見捨てられたら死ぬ自信があります」
そんな自信は必要無いが、本当にやめてほしい。冗談でもこんな話が広がってしまえば社会的に俺が死ぬ自信がある。明日から学校大丈夫かな。