A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (687)
第679話 行動パターン
スケルトンとの近接戦をクリアした野村さんは、その後も順調にゴブリンを倒し、この日LV6に達した。
スケルトンと近接戦を繰り広げたことで、ゴブリンに近づかれてもなんとかなると自信に繋がったのか、明らかにゴブリンに対する動きが良くなっている。
「今日はありがとうございました。レベルが2つも上がりましたし、少しは二階層に慣れてきた気がします。明日からは一人で二階層に潜ってみます」
明日から野村さん一人で二階層? どう考えても危ないな。そもそも彼女の武器はハンマーのみ。ハンマーでゴブリンと近接戦?
今日は俺達がいたので、ある意味保険をかけた状態で臨めたから問題は無かったが、一人で潜るとなると状況は全く異なる。
「明日からも二階層に潜るのか? 一階層の方がいいんじゃないか?」
「いえ、ようやく一階層から抜けれたんです、これからはもっと先を目指せる様に頑張ります」
「だけどなぁ……武器だってないだろ?」
「あ……ボウガン」
「まあ、それは貸してあげてもいいんだけど」
例えボウガンを貸してあげたとしても野村さん一人では……
「本当ですか? ありがとうございます。稼げるようになったら絶対に返しますからそれまで貸してもらえるとうれしいです」
「本当は、ここから先はパーティで臨んだ方がいいんだよな。三階層からは複数の敵が同時にエンカウントするから、ソロだときついんだ」
「でも、わたし心当たりとかありませんよ。ソロで頑張ります!」
そうだよな。最初から知り合いでもいない限りは万年一階層の探索者と組んでくれるパーティを見つけるのは難しいと思う。もう少しレベルが上がれば、女の子だし入れてくれるパーティはあると思うけど。今のままじゃ厳しいかな。俺は運良くシル達に出会えたから良かったけど。
それにこの階層は基本単体でしかエンカウントしないとはいえ、偶発的に二体同時にエンカウントする事だってありえる。
「それじゃあ、今月だけ俺が一緒に潜るよ。ここで放り出すのも違う気がするし。多分三階層ぐらいは、いけると思うから。そこまでいければ多分パーティメンバーも見つかると思うし」
「え〜本当にいいんですか? 迷惑じゃないですか?」
「たまたま今月は時間があるから、大丈夫だ。来月はもう無理だからパーティメンバーも今から探すんだぞ。四階層より下はソロだとまず無理だから」
「はい! わかりました」
まあ、今月は時間が取れるし毎日じゃなければ問題ないな。
せっかく一年かけて二階層まで来たんだから、出来る事なら野村さんにはこのまま順調に探索者として活躍してもらいたい。
明日も朝からダンジョンに潜る約束をして解散したが、一応、今日の事を春香にも連絡しておいた。
野村さんを今月だけ面倒を見る事と、平日は放課後に時々カフェに行ける事を伝えると、春香からはそうなると思ってたと言われてしまった。
これでも、結構悩んで決めたんだけど、俺って行動パターンが読まれやすいタイプなんだろうか?