A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (727)
第719話 ウエポンズおふだ
マサンを退けたので次の敵には俺もおふだで対抗してみようと思う。
みんなでお昼ご飯を済ませてから探索を再開する。
今日のお昼ご飯はカレーパンにオムライスおにぎり。
カレーとオムライスが手軽に味わえて最高だ。しかも今日のカレーパンは焼きカレーパン。揚げたカレーパンとはまた違った感じでかなり美味しかった。
今日のミクのお弁当には見慣れない食べ物が入っていたので聞いてみると、パテドカンパーニュだそうだ。
「パテよパテ」
とミクに言われて、パテは聞いたことがあると思ったが、パテドカンパーニュか。
馴染みがないのでオペラの題名か自転車のレースのような食べ物だと思ったが、口にするのはやめておいた。
探索を開始するが、思ったよりもモンスターに手こずっていることもあり十八階層のマッピングが進んでいない。
ペースアップの為にも、あいりさんの使っているグッズを有効活用する必要がありそうだ。
「ミク、パテって美味しいのか?」
「まあ、物にもよるけど今日のは美味しかったわ」
「ふ〜ん、よく食べるの?」
「よくってほどじゃないけどたまに出てくるわね」
「そうなんだ」
俺の記憶が確かならば、俺の家の食卓にパテが出て来た事はない。
たまに食卓に出てくるミクの家って……
「どこかで売ってるのかな」
「デパ地下とかならあると思うわ」
デパ地下か。俺には無縁の世界だな。
パテがおいしいなら今度行ってみようかな。
「ご主人様、お話し中ですが敵モンスターです」
「わかった」
俺は左手におふだを携えモンスターの方へと進んで行く。
進んだ先にはキョンシーが四体いた。
「前衛で三体を倒すから、ヒカリンはフォロー。ミクはスナッチにフォローを指示して。残りの一体はシル頼んだぞ!」
「はい、おまかせください」
「ちょっとまて! わたしはどうするんだよ。わたしも戦う!」
「ルシェにまかせると余計燃え上がりそうだしな〜」
「わたしには風もあるんだ! あんなの一瞬で刻んでやる!」
「う〜ん、どうするシル」
「ルシェも活躍したいようなのでルシェでいいと思います」
「わかった、それじゃあルシェ一体任せたぞ」
「まかせるまでも無いな。瞬殺だ」
まあルシェでも問題はないだろう。
今回はファイアキョンシー化は防ぎたいので火器厳禁だ。
前回の件もあるのでスナッチに頑張ってもらってミクには後方で待機してもらった方がいい。
俺は一番左側のキョンシーに狙いを定め左手には安産祈願のおふだを携えて走る。
キョンシーも俺を認識して向かってくるが相変わらずピョンピョンふざけた動きを見せる。
あっという間に間合いが詰まり交戦状態へと入るが、キョンシーはアクロバティックな動きで連続攻撃をかけてくるので、防御に追われる。
回避しながらバルザードを振るうが、やはりこのふざけたモンスターは強い。
予測不能な動きにバルザードよりも更に間合いが短いおふだを貼り付けるタイミングがなかなか掴めない。