A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (74)
第74話 お伺い
俺は7階層で次のゴーレムを探して探索している。
「ルシェ、さっきのご主人様かっこよかったよね。なんかどんどん強くなってる気がするの。よかったよね」
「何か、わたしたちがいなかった先週で、変わった気がする。なんか、頑張り方が違うというか、妙に自信が出てきたような。多分あれは女だな」
「え!?またあの春香様というお方でしょうか?ルシェ、どうしよう。」
「いや、春香かどうかはわからないな。どうも前回と感じが違うんだよね。違う女かもな。」
「ええ!?違う女の人?ご主人様、最近特にかっこいいから、モテるのは仕方がないのかもしれないけれど、大変だわ。ルシェ本当にどうすればいいと思う?」
「あいつがそんなにモテるとは思えないけどな。あとでちょっと聞いてみるか」
俺は、そんな会話に全く気付かず、ゴーレム探索に励んでいた。
「シル、ゴーレムだぞ!探知できなかったのか?」
「え!? 申し訳ございません。ちょっとおしゃべりに気を取られていました。本当に申し訳ございませんでした。」
「まあ、俺が気がついたから、そんなに謝らなくてもいいけど、しっかり行くぞ!今まで一番多い5体だからな。順番に撃破していくぞ。安全に行くから、シル『鉄壁の乙女』を頼む。ルシェ、ギリギリまで引きつけて一気に殲滅するぞ」
『鉄壁の乙女』
光の防御壁の中でゴーレムを迎え撃つ。ゴーレム5体が取り囲むようにして、一気に攻撃を仕掛けてくる。
光のベールに阻まれるのはわかっているが、流石にちょっと怖い。
ゴーレムの攻撃がベールに阻まれた瞬間、魔氷剣で正面のゴーレムを斬り結ぶ。ノーガードのゴーレムは一瞬で消滅、隣のゴーレムが身構える前に、頭部に向かって魔核銃を発砲する。一瞬怯んだゴーレムの胴体に一撃を加えて爆散させることに成功した。
密集状態だったので、ルシェの『破滅の獄炎』も効果を発揮して2発連発で既に3体のゴーレムを一掃していた。
対応さえ誤らなければ、5体のゴーレムも問題なく撃破できた。
シルとルシェと3人であれば7階層はもう、問題ないだろう。次の8階層を目指すことになる。
その前にシルとルシェに確認したいことがある。
「シル、ルシェ、ちょっといいかな。7階層も問題なさそうだし、今度は8階層に向かおうと思うんだけど、8階層まで来ると、敵もちょっと大変だと思うんだよ。3人だとちょっと厳しい場面も出てくるんじゃないかと思うんだ。それで、ちょっと相談なんだけど、本当に仮にの話なんだけど、パーティメンバーを増やしたらどう思う?」
「え!?パーティメンバーが増えるんですか?今のままでも全然大丈夫だと思います。というより、今の3人が一番バランスがいいと思います。」
「は〜ん。女だな。パーティメンバーに女を入れたいんだろ。」
「い、いや、なにいってるんだよ。仮の話だよ、仮。女の子がパーティに入ってくれるはずないじゃないか。ははは。」
「じゃあ、今のままでいいと思います。仮の話は仮で終わりでいいと思います。」
「まあ、お前にそんな甲斐性かあるとは思えないから、仮の話だろうけど仮の。」
「うっ。そうそう仮だよ仮。そうだよな、パーティメンバーはこの3人で行こうな。うんそれがいい。ところで話は変わりますが、この前イベントに参加したじゃないですか。そのおかげもあって、今回結構スキルアップしたんですよ。そう思いませんか?」
「はい。それはもう間違いないです。ご主人様、最近すごいです。カッコいいです。」
「まーちょっと強くなったような気はするな。」
「そうでしょう。それで、今後もイベントで知り合った人たちと時々、週末とかにパーティを組んでスキルアップをしようと思うんですよ。シルとルシェも最高だけど、2人が強すぎて俺も置いていかれないように頑張らないといけないじゃないですか。」
「最高だなんて。ありがとうございます。でも私が、ご主人様を置いていくなんて有り得ません。」
「そのメンバーは女なのか?女なんだろう」
「い、いえ、何をおっしゃっているんですか。イベントメンバーは殆ど男でしたよ。男」
「私はご主人様が決めた事なら言うことはありません。頑張ってください。でも普段は私たちと一緒ですよ。」
「ふ〜ん。殆ど男ね〜。まあどっちでもいいけど。ちゃんと魔核は、くれよ」
「はい。もちろんですよ。これからもシルとルシェが一番です。頑張ろう、ははは。」
なんとか週末に他のパーティに参加するのをOKもらった。しかし、女性の部分に異常に反応するな。ちょっと、圧がすごい。イベントメンバーは殆ど男だったのは本当だから嘘は言っていない。誘われたのが女の子からだっただけだ。なんか2人共ちょっと怖かったのでバレないようにしよう。別にそんなに悪いことをしているわけではないのに・・・
「シル。女だな。喋り方とか話の振り方が怪しすぎだな。あれでバレてないとでも思ってるのかあのバカ」
「むー。女性の方ですね。私たちの努力が足りないのでしょうか?負けないようにこれから2人でもっと頑張りましょうね。」
俺は今度8階層を目指す。