A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (751)
第743話 予定変更
今日も一日授業をしっかり受けて頑張ってから放課後は春香と勉強会だ。
勉強会の成果も出てきている気がするので今日も頑張りたい。
その前にお昼ご飯だ。
今日は購買でパンを買ってこようかな。
「あの〜すいません。高木先輩はいらっしゃいますか?」
教室の入り口から俺のことを探しているような声が聞こえてきたが知らない女子生徒だ。
先輩って事は年下か?
「え〜と、高木は俺だけどなにか用?」
「理香子ちゃんが、野村理香子ちゃんが戻ってこないんです」
「野村さん?」
「はい、私理香子ちゃんと同じクラスの海枝紀梨花といいます。理香子ちゃんとは友達でダンジョンのこととかも結構話してるんですけど、昨日ダンジョンに行ったっきり家にも帰ってきてないみたいなんです。学校にも来てなくて」
「ちょっと待ってよ。たしか野村さんは週末だけ潜ってるんじゃなかったっけ」
「最近パーティでダンジョンに行くのが調子が出てきて稼げるようになったからって、放課後も行くようになってたんです」
「そうなのか。知らなかった。それより帰って来ないって、どういうことなんだ? パーティで潜ってるんだろ? 多分野村さんは四階層あたりに潜ってるんだと思うけど」
「昨日の放課後にダンジョンに行ったのは間違いなんですけど、学校にも来てないしそれっきり連絡がつかないんです」
「病気かなにかで休んでるんじゃないか?」
「今までこんな事は一度もなかったですし、朝に理香子の家にも連絡してみたんですけど、戻ってきてないそうです」
普通に考えると、ダンジョン以外でのトラブルに巻き込まれた可能性の方が高い気もするけど、いずれにしても心配だな。
「他のパーティメンバーとは連絡取れないの?」
「はい、一人だけ会ったことがあるので連絡してみたんですけど、やっぱり反応が無くて」
「海斗、ちょっとやばいんじゃないか? 例のに巻き込まれたんじゃないのか?」
「いや、でも野村さんはまだ四階層だぞ?」
「海斗、女子高生が戻ってきてないんだ。放っておけないだろう」
「隼人、見かけによらず正義感強いな」
「いや、たぶん野村さんのパーティメンバーに興味があるだけだぞ」
「真司、なにをバカなこと言ってるんだ! そんなはずないだろ! 俺は純粋に心配なんだ!」
やっぱり隼人だな。この感じは図星だったようだ。
野村さんも気になるけど、おそらくダンジョンのトラブルではないだろうし、春香との約束もあるしな〜。
「海斗、話が聞こえてきたんだけど野村さんが帰ってこないの?」
「ああ、そうみたいなんだ」
「行ってあげた方がいいんじゃない?」
「いやでも……」
「勉強はまた今度一緒にしようよ。ねっ」
「うん」
春香の言う通りだな。
「高木先輩、お願いしてもいいですか?」
「授業をサボるわけにはいかないから放課後になるけど行ってみるよ。たぶん大丈夫だとは思うけどな〜」
「ありがとうございます。他に頼る人もいなくて」
「俺も行くから安心してよ」
「隼人も来るのか?」
「もちろんだろ。かわいい後輩の危機かもしれないんだぞ。放って置けるはずないだろ」
「ああ、そうなんだ」
隼人もある意味焦ってるな。