A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (757)
第749話 武器
五階層を進んで行く。
「ご主人様、この先に敵が二体いるようです」
「じゃあ俺とベルリアが前で隼人はフォロー頼んだぞ」
先に進むとそこにはサンドマンとブロンズマンがこちらに警戒しながら待ち構えていた。
以前は金属製の身体を貫くことができなかったが今ならいける。
俺はブロンズマンに向けて加速する。
「海斗、フォローはまかせろ!」
後方からパンチコ玉程度の大きさの鉄球がブロンズマンめがけて飛んでいき命中するが、ダメージを与えるには至らない。
「やっぱり無理かも」
「隼人……」
こればかりは相性の問題なので仕方のないことだが「フォローをまかせろ!」はなんだったんだ。
先程の攻撃でブロンズマンの注意が一瞬それたが、今はもう効果を完全に失っているので、普通にブロンズマンを相手どりバルザードの一撃を突き立てる。
バルザードにのせるイメージは切断。
ブロンズマンの動きは鈍い。しっかりと動きを見定めて、ブロンズマンが腕をスイングした瞬間を狙いバルザードを突き刺す。
鈍い抵抗感と共にバルザードの刃がブロンズマンの身体へと吸い込まれ、俺はそのまま横なぎにバルザードを振り払った。
ブロンズマンはそのまま二つの塊へとわかれて消滅した。
俺がブロンズマンをしとめた時には、サンドマンは既にベルリアの刀によって倒されていた。
「海斗も師匠もさすがだな。やっぱり魔剣はすごいよ。今度いい出物があれば俺も奮発して魔槍買おうかな。魔槍があれば俺だっていけるよな。聖槍もいいけどやっぱり魔槍がカッコいい」
「隼人、槍のことはよくわからないけど、もし買うなら魔刀とかでいうと、同じ魔っていう名前を冠していても刀によって効果は千差万別だ。俺とベルリアの魔刀も効果は全部違うしバルザードは全く違う感じだからよく吟味した方がいい」
「やっぱりそれもあるよな。掘り出し物かと思ったら、なまくらつかまされることもあるってことだよな」
「まあちゃんとした店で買えば騙されるようなことはないんだろうけど、武器はどこで調達してるんだ?」
「もちろんダンジョンマーケットの厳ついオッサンがやってる店だぞ。まあそんなに利用する機会はないけど」
厳ついオッサンって、間違いなくあのオッサンだよな。まあ俺たちのエリアで探索用の武器ならあの店ぐらいだもんな。
「あ〜俺と同じだな。だけどあの店は要注意だぞ。たまに当たりもあるけど基本ふっかけてくるからな。高額な武器ほどガチャ的な要素が強い」
「そうなのか?」
「ああ、間違いない。あのオッサン、男には甘くない。もし買うなら前澤さんあたりについてきてもらった方がいいかもな」
「そんなにか」
「ああ、女の子にはめっぽう甘い。割引率が明らかに違う。それと武器は誰かが使ってた中古の方がいいかもな」
「新品じゃなくてか?」
「俺の経験的にあの店は中古の方が当たりが多い気がする。中古ってことは、それまでダンジョンで通用してた証明にもなるし価格もあのオッサンにしては良心的なことが多い気がするんだ。ちょっと人気を外したような装備がおすすめだ」
「やっぱり海斗に相談してよかったよ。参考にさせてもらう」
隼人が買ってしまう前でよかった。
一千万円から支払ってハズレを引いたら立ち直れないからな〜。