A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (806)
第797話 レベル25
気を取り直してステータスを確認してみる。
高木 海斗
ジョブ アサシン
LV24→25
HP 94→100
MP64→68
BP95→100
スキル
スライムスレイヤー
ゴブリンスレイヤー(微)
鬼殺し
神の祝福
ウォーターボール
苦痛耐性(弱)
愚者の一撃
不撓不屈 NEW
「ああっ!」
おおおおお〜っ!
思わず声が出てしまったがレベル25となった俺のステータスにはついに三桁の数値が現れた。
HPが100に。そして何よりBPが100へと到達した。
この前レベルアップしたばかりなので、BP100になるのはもっと先だと思っていた。
それが今この時ついにBP100へと至った。
それは、本格的に探索を志した者としてのひとつの目標。
シルバーランクに至ったという事だ。
まだ上にはゴールドをはじめとした階級は存在するが、シルバーランクは言うなれば探索者として上級に一歩足を踏み入れたといっても過言ではない。
おそらく高校生でシルバーランクに至ることができるのはほんのひと握りの探索者だろう。
まあ、それだけ俺がダンジョンに潜っている証明ともいえるが、シルバーランクは完全なるプロクラスの階位といえる。
自分で自分を褒めてやっていいレベルだ。BPだけならベルリアに迫る。
先程まで刀が折れてしまったショックで憂鬱になっていたが、この数値を見て一気にテンションが回復してしまった。
地上に戻ったら一番にダンジョンギルドへ直行しよう。
俺がシルバーランカー。ウッドランクに二年間とどまり続けていた俺がシルバーランカー。一年前の俺に言っても絶対信じないだろうな。
興奮で身体が小刻みに震え、全身に体温が急上昇したような錯覚を覚える。
そして新しいスキルも発現していた。
不撓不屈 ………… 常軌を逸した精神力で何度も死の淵から舞い戻った者の証。死に瀕した時、精神力で踏みとどまり、瞬間的にBPが25パーセント上昇する。
このスキルは、おそらく常時待機状態のスキルだ。そして大きなダメージを負った時に、このスキルの効果で死なずに済むのか?
その瞬間一時的にBPが25パーセント上昇するという事は、俺の場合BPが125となるということだ。この数値はベルリアに迫るどころか完全に上回っている。
おそらくは、強敵と戦い、常に命の危険と隣り合わせの探索者にとって、とんでもなく有用なスキルだ。
何度もルシェの『暴食の美姫』や『愚者の一撃』でHPが一桁になるのを経験し、おまけにシルの『祈りの神撃』まで体験してしまったことで、発現に至ったのだとは思うが、このスキルの注釈にある常軌を逸した精神力ってなんなんだ?
たしかに、『暴食の美姫』や『愚者の一撃』を発動するには相当な覚悟が必要だ。その上で俺は何度も発動しているので、かなり頑張っているとは思う。
だけど常軌を逸したって、まるで俺がおかしいみたいな表示はちょっと納得いかない。
俺は完全に普通。ノーマルだ。