A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (868)
刻の神様お願い!
「海斗〜聞いてくれよ。昨日茜ちゃんとカフェに行ったんだよ〜」
「それはよかったな」
「ダンジョンは潜らなかったのか?」
「あ〜昨日は特別休暇もらったんだ」
「特別休暇ってなんだよ」
「茜ちゃんとのデートは特別だろ?」
「ああ、そうですか。それはそうと、勉強の方はどうなんだ? 受験勉強」
「……………」
「隼人?」
「海斗! どうすればいいと思う?」
「なにが?」
「勉強が全くすすみません。俺このままだと王華は無理かも」
「急にどうしたんだよ。この前は調子いいような事言ってなかったか?」
「やっぱり探索とデートと勉強の両立が俺には無理だ。どれかを削るしかないけど削るとしたら勉強しかないだろ。あ〜1日が36時間あったらな〜。時間が、時間が足りないんだ〜俺は刻の神様が恨めしいよ」
「真司は?」
「真司は悠美ちゃんが徹底的に管理してるからいけてるっぽい」
「ああ……そうなんだ」
真司は前澤さんの尻に敷かれてる感じか。だけどどうせなら3人揃って王華行きたいしな。
「隼人、ちょっといいか」
「なんだよ〜」
「もうちょっと近くに来てくれ」
「海斗俺、そんな趣味はないぞ」
「そうじゃないって」
「冗談だよ。そんな大事な話か?」
「ああ、絶対誰にも言わないって誓えるか?」
「なんのことかわからないのに誓えるかって言われてもな〜」
「隼人、これはお前の将来にも関わる大事な話しだ。隼人の入ってるダンジョンサークルにも内緒にするって誓ってくれ」
「お、おう。マジな感じだな。わかった。誓うよ」
隼人から確約を取ってから昨日の事を話すことにする。
「昨日探索が終わってからな、ダンジョンに残って勉強したんだ」
「は? 海斗、お前がダンジョン中毒なのは知ってるけど、遂におかしくなったのか? 大丈夫か? 病院に行くか?
今日一緒に行ってやろうか?」
「失礼なやつだな.俺は至って正常だよ」
「いや、だけどダンジョンで勉強って、そのうちダンジョンに住んじゃうんじゃ」
「そんなわけないだろ」
「いや、だけど……」
「いいから聞けって。勉強したら滅茶苦茶捗った」
「それは海斗だけの特殊な事例じゃ」
「ふざけるならここでやめてもいいんだぞ」
「冗談です。お代官様〜」
「誰がお代官様だよ。ダンジョンだとレベル分ステータスが上がってるだろ?」
「海斗!! ま、まさか」
「そのまさかだ」
それまでおちゃらけた雰囲気だった隼人の表情が真剣なものへと豹変する。
「マジか!」
「ああマジだ」
「それじゃあ、ダンジョンで勉強すれば……」
「ああ、勝ちは確定だ」
「マジか。ヤバいな」
「ああヤバい。だから絶対に内緒だぞ」
「ああ絶対誰にも言わない」
「真司は別にいいと思うけど、前澤さんと一緒に勉強してるんじゃな〜」
「それより、それは海斗だけの特殊技能とかじゃないよな」
「隼人、俺にそんな技能はない」