A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (885)
ベルリア反省?
ベルリアが、完全に自分の立ち位置を勘違いしていたのでしっかりと言って聞かせておいた。
なぜか、主人である俺の言葉だけでは動きが鈍く、しきりにルシェを窺っていたのでルシェにも指示してもらった。
「おいベルリア。わかってるんだろうな?」
「はい、姫様.もちろんです」
「調子に乗って出過ぎんなよ」
「はい」
「舐めて、ダラダラ見てるんじゃないぞ」
「もちろんです」
「ちゃんと働けよ!」
「このベルリア粉骨砕身姫様のために」
このやりとりがあって、次の戦闘からベルリアの動きが改善されいつものように前衛でしっかりと役目を果たしてくれた。
俺と比べてもスピードが上なので、少し前を行くきらいはあるがこれまでより格段に合わせる意識が芽生えたのは間違いなさそうだ。
災い転じて福と成す感じで、結果良かったのかもしれない。
「ベルリア! スイッチ!」
「はっ」
ベルリアをブラインドに使い、入れ替わってバルザードの一撃を叩き込む。
一人では苦戦するメタルモンスターもこうしてベルリアと二人なら十分いける。
「マイロードお見事です」
「ああ、ベルリアのおかげもあるけどな」
「ありがとうございます」
連携の向上により、シルとルシェに出てもらう回数も若干減り、それと共に探索のペースも少し上がっている。
「姫様、見ていただけましたか?」
「ああ、その調子でやれよ」
「はっ、このベルリアありがたき幸せ」
そしてシルとルシェの出番が減った事で収支も完全にプラスへと転じていた。
先日の乱発は心身共にこたえたのでこの事はベルリア以上に俺自身幸せを感じている。
魔核を拾いながら幸せを噛み締め、先を目指す。
「海斗、そういえば聞いたわよ」
「え? なにを?」
「週末は、春香とご飯食べるんでしょ?」
「なんでそれを」
「なんでって、春香とは毎日やりとりしてるんだから知ってて当たり前でしょ」
「ああ……」
「1日は春香が作るって張り切ってたわ」
「え、そうなの?」
春香の手料理。幸せすぎるな。
いや、でもなんで俺の知らない事をミクが知ってるんだ。
「春香って料理できるのね」
「ああ、滅茶苦茶上手だから」
「そうなんだ。いい奥さんになりそうね」
「なっ……!」
「ふふ〜ん。海斗顔が赤いわよ。別に海斗の奥さんなんてひとことも言ってないないんだけど」
「そんな事はわかってるって」
あ〜身体が熱い。
「でも料理上手って憧れるわね」
そういえばK-12のみんなはバーベキューの肉すら切れなかったからな〜。
「ミクは料理の練習とかしないのか?」
「あ〜多分しないと思う。作る相手がいないとやる気も出ないし」
俺もカップ麺レベルの料理スキルしかないので人のことを言えた義理ではないな。